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ハルノヒザシ

(そういや、人類の三大タブーってなんなんだろう)
ぼんやりと段ボールの中身と学級文庫の本を入れ替えながら、ふとさっきのくるみちゃんの言葉を思い出した。
殺人…は確実に入るよな。じゃあ後の二つはなんなんだろう?罪が重いっていったら強盗や放火かな。
あ、もしかして意外と結婚詐偽だったりしてー。いや、ないない…。
うーん、人を殺す、とか人に嘘をつく、とかそういう感じかもしれないな。一つの行為だけを指しているんじゃ無いかもしれない。
そんな事を考えていると、作業はあっという間に終わった。
最後にリストを確認していると、開いたままの窓から風が入って来るのを感じる。
おっと、いけない。閉めなきゃ。
先ほどよりやや傾いた夕陽が差し込む窓に俺は手を伸ばし、カラカラと窓を閉める。
その時だった。
後ろから微かな物音が聞こえる。
衣ずれのような…。
後ろに誰かいる…?
いやいやいや、気のせいだ。気のせい。 こういう事は多いしな。こう一人でいるとさ…。
そう無理矢理思いこみながら、ドキドキと鳴り響き始める心臓をシカトしながら、微かに震え始めた手で窓の鍵を下ろす。
その間も後ろから確実に感じる、違和感。
ああ、そうだ。怖がるからいけないんだ。思い込みが激しくなるんだ。
そう思って、振り返ろうとした時だった。

身体が突然全くその場から動かなくなる。

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