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ハルノヒザシ

「さぁて、ここに居ると目の毒ですね。なかなか楽しい展開を期待して、俺は帰ることにします」
何でいけないんだろう?俺何かしたかな、と考えこんでいる俺の顔をくるみちゃんはチラリと一瞥し、窓枠に立ち上がった。
そのままカラカラと窓を開く。
な、何する気だよ。…まさか…。三階だぞ。ここは!
「ちょ、危ない…やめっ」

「それでは、はるちゃん先輩ごきげんよう。今度会ったら人類三大タブーについてでも話しましょう!!」

そう言い残すと、くるみちゃんは何の躊躇もなく窓枠から足を離した。
段ボールから手を離し、俺が駆け寄るよりも一瞬早く。
「くるみちゃん!!」
叫びながら、窓枠から乗り出すとちょうど地面にくるみちゃんが着地しているのが目に入った。
そのまま窓から身を乗り出している俺に向かって、大きく手を振り、最後に投げキッスをすると足取りも軽く去って行く。
あ、あ、びっくりした…。
絶対に今、寿命が縮まったよ。
くるみちゃんの姿が見えなくなるまで見送った後、俺は窓枠に頭を預け、溜め息をつく。
飛び降りたのは俺じゃないのに、無駄に心臓が鼓動しているのがわかった。
骨折してるのに、無茶するなぁ…。
俺はもう一度大きく息を吐いたあと、ようやく段ボールに手をかけた。
ヤバいヤバい。早く作業を終えないと、望月先輩に怒られる。

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あきゅろす。
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