ハルノヒザシ 4 「えっとー3年C組は何処だろう?」 入れ替える本を持って中学棟に着いた俺は、担当クラスが違う神田君と別れ、自分の担当のクラスがわからずに適当に歩き始めた。 馬鹿だなー。俺も。神田君に聞けば良かったじゃん、とちょっと後悔をしながら辺りを見ながら歩き続ける。 初めて入った中学棟は高校棟よりも新しく、広い。 とっくにほとんどの生徒が部活か寮に戻っており、校舎内は随分と静かだ。 適当に階段を上がったり、下がったりしていると、図書委員の子がいる階を見つけ、近くの教室をクラス名を見上げるとビンゴ!三年生の階だ。 このクラスが3年E組だから、多分この近くだよな。 キョロキョロしながら歩いていると、隣の隣に予想通り3年C組の文字。 そういや夏のクラスはA組だったっけ?後で覗いてみようかな。 いや、どうせ夏部活だしなー。 そんな事を思いながら、俺は段ボールを一回床に置き、3年C組のドアを開く。 「よいしょ」 どうせ誰も見てないだろうと、段ボールを汚さないように足でゆっくりと押しながら、教室の中へと押し込んだ。だって手が疲れたんだもん。 さて、本棚はどこだろう。 顔を上げ、教室内を見回した俺は、この教室に自分以外の自分が居たことにようやく気付いた。 窓枠の所に誰かが座っている。 窓から差し込む夕陽で紅く染まる髪。 俺と目が合い ニィと笑う口元に光るピアス。 「やっほー。はるちゃん先輩!」 そこに居たくるみちゃんは窓枠に座ったまま、軽く俺に手を振った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |