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ハルノヒザシ

「んじゃ図書当番行ってらっしゃい」
「おーまた後でねー」
放課後。
音羽の勧誘を何とか振りきり、一日を終えた俺は、三好と途中で別れ、週一の図書委員の活動に向かう。
やれやれ、体育祭の選手の正式決定が一週間後だから、後一週間はこんな毎日が続くのか、とぼんやり思いながら俺は図書室の扉を開けた。
図書室に入るとまだ時間には早いものの、ほとんど図書委員の人々は既に集まっていた。
やっぱ、遅れると後が怖いからな。
「春日先輩ー!こんにちはー」
キョロキョロと空いてる席を探していると、奥の方から神田君の声。
「こんにちは、神田君」
ここ、ここー!と神田君が自分の隣の空いてる席を指差すので、俺はそこに座らせてもらう。
「今日は何をするんでしょうねー?」
「何だろ?なるべくなら力仕事じゃないのがいいよね」
「ですよねー。僕たちにはデスクワークが向いてます」
そんなことを喋っていると、ようやく扉が開く音。
ちょっとしてから俺達の前に見慣れた金髪姿の先輩が現れる。
あれ、でも一緒に来た人はなんなんだろう。先生かな?見たこと無いけど。
「全員いるな。じゃあ今日はこっから半分は通常作業。残りは池波先生に付いてって中学棟の学級文庫の入れ替えやって来い」
いつものような望月先輩の簡潔な説明。
「あちゃー。失敗しましたね。あっちに入れば良かったなぁ」
「そうだね…」
中学棟に行く組の方に座っていた俺達は、その明らかにめんどくさそうな内容にため息をついた。


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