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ハルノヒザシ
水無月
今日は新しい月が始まる日。
朝起きて、カレンダーを破ればまず目につく六の文字。
六月かぁ。もう峡城に来てから二ヶ月がたつのか。二ヶ月のうちに結構色々な事があったなぁ。
しみじみとそんな事を思うが、俺の心はぼんやりと晴れない。
だって、六月ったら雨は多いし、国民の休日は無いし、何より体育祭がある。
何だって、こないだ球技大会やったばっかなのに体育祭があるんだよ…。
六月かぁ…。はぁ、憂鬱な季節だ…。
だらだらと顔を洗い、朝ごはんを作りながら俺はため息のつき通し。
作り終わるとほとんど毎日の日課の一部となっている三好起こしに向かう。
いや、本当に起きないんだよ、アイツ。この頃は。まだ五月病にかかってるんじゃあ無いかな?いや、まさかね。
「三好ー!三好ー!朝だよ!起きて!」
まず、二段ベッドの下から上に寝ている三好に叫ぶが、三好が起きてくる様子は全くない。
いつものことなので俺は大して気にせずに、次に梯子をよじ登る。
「起きろー!!三好!!」
向こうを向いて寝ている三好の肩を揺すりながら、またまた俺は叫ぶ。
ようやく少しだけぴくりと反応を見せる三好。
あれ、まだ起きない。いつもだったら起きるのに。もうちょっとか?
「三好!今日は鮭を焼きましたよ!味噌汁はなめこですよ!!ほら、起きなさい!!」
三好の頭をぺしぺし叩きながら俺は言う。
しかし本当に今日はおきないな…。何時まで起きてたんだろ。そろそろ起きてもらわないと、また遅刻だ。
「三好ーったら!!」
俺はとうとう三好のベッドによじ登り、三好を跨ぐとベッド横のカーテンを勢いよく開いた。
途端に既に高く登る朝日が差し込んで来る。
「うわ、眩し…」
「ほら、じゃあ起きろ!」
「…おはよ……」
ようやく三好が身体を起こしたのを確認して、俺はベッドから下りた。


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あきゅろす。
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