ハルノヒザシ 8 よくない!最低だぞ!俺! 思わずそんな事を思ってしまった俺はぶんぶんと頭を振った。 三好も勝手な事を思って欲しくないに違いない。 はぁ、駄目だな。俺は…。 自分だって…同じな癖に。 自己嫌悪に陥りながら、ふぅーとため息をつく。 「どしたの?前田」 突然、後ろから三好の声。 驚いた俺は大げさにビクリと身体を震わせる。 「みみみ三好!お前足音ぐらいたててくれ!」 「前田がぼんやりしてるから聞こえなかったんだろ…」 驚いて壁に張り付く俺を呆れたように見ながら言う三好。 いつの間にかタンクトップの上に長袖のシャツを羽織っている。 しかし、いっつもお前足音たててないよな。忍者か!お前は! 「前田はわかりやすいな」 「な、なんのこと」 意味深な笑みを浮かべる三好に平静を保って答えようとしたが、どもってしまいあえなく撃沈。 「気になる?」 一言言ってジッと俺の目を覗き込んで来る三好。 俺は困ってやや身をすくめ、見上げるようにしてその瞳を見つめ返す。 「見せてもいいよ。前田なら…」 ただし今は駄目。そろそろ人が来るから。部屋でな…。 淡々とした声で話す三好。 「三好、別に俺…」 「んじゃ、帰ろうぜ。とその前に」 体重計のってみせろ、と三好に肩を押される。 [*前へ][次へ#] [戻る] |