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ハルノヒザシ

「お前ん家絶対に広いだろ!」
「…まぁ、狭くはないな…」
そう言う奴の家は絶対に広いんだ!!
「わかった。じゃあ鯉を飼ってる池とか整えられた松とかあるんだろ!」
「そうだな、あるな…。何でわかるんだよ」
再び驚いたような顔をする三好。
あてずっぽうで言った事が全部肯定された俺の方がビックリだよ。
「いや、癇だけど…」
「ふーん、そうか。いつか来いよ。遠くてもいいなら」
「わーマジでー。行ってみてー」
俺が興味津々でそう答えると、一瞬だけ三好は真面目な顔で俺の顔を見た後、突然声を上げて笑いだした。
あらら?俺変なこと言ったかな?
風呂の中に楽しそうな声を響かせながら笑う三好をポカンとしながら俺は見つめる。
声をたてて笑う三好なんか見た事が無いし…。
「…っ不思議だよ。前田。俺凄く不思議」
ひとしきり笑い終えた後、三好がしみじみと口を開いた。
「何が?」
思わず俺は聞き返す。
「んー全部。こうやって前田を俺の家に誘ったり、前田と一緒に風呂に入ったり、バカみたいに俺が笑ってたり…」
今起きてる全てが、全部不思議だよ。
「何で?」
「さぁ?何でだろう」
俺の問いに三好は答えず、代わりにまた楽しそうに微笑む。

その微笑みは、思わず見とれてしまう程に優しげだ。

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