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ハルノヒザシ

なるべく早く頭を洗い終えた俺は、ちょっとだけウキウキしながら湯船へと向かう。
たっぷりとお湯を湛えた広い湯船は泳げそうなくらい広い。泳げないけど。
典型的なカナヅチだから、俺は。
ちゃぽんと足だけ入れてみると、うん、いい湯加減。
ややぬるめの方がいい。
そのまま俺はゆっくりとお湯に身体を沈めていく。
おお、感動、周りが広い…。 何か広いと逆に落ち着かない気もするけど…。
「そんな嬉しい?」
そんな感じで俺が一人感動を噛み締めていると、湯船の奥から三好の声が響いてきた。
顔を上げると奥の壁に寄りかかりながら軽く笑っている三好が目に入る。
あーやっぱり顔出してる方がかっこいいな。前髪切れよ。
「嬉しいよ!こんな広い風呂に入るの初めてだし…」
そんな事を考えつつヘラヘラと笑いながら俺は答える。
「そりゃ、良かった。やっぱ風呂は広い方がいいよな。俺んちの風呂なんかこの半分くらいしか無いし…」
「はぁ?半分?ここの?充分広いよ!」
普通の家の風呂はここの四分の一もないはずだ。
「そうなの?へぇ……」
一緒驚いたようには目を丸くし、感心したような声を上げる三好。いや、驚かれても…。それが普通ですから…。

しっかしスーパー行った事が無かったことといい、本の買い方といい、今の発言といい…。
微妙に三好の実家が気になる。
絶対に金持ちだよ。コイツん家!

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