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ハルノヒザシ

「保健委員って何で皆嫌がるんですか?」
「何?保健委員になるとこだったんか?お前。まぁ図書委員になってるって事はじゃんけんか何かで勝ったんだろ」
作業の手を止めニヤリと笑いながら望月先輩が言う。
俺は教室でさっきあった事を話した。
「へぇ、そういやお前、編入生だもんな。知らなくて当然か」
ふぅんと俺の話を聞きながら望月先輩は言う。
「今年の保健委員長の徳永って奴はなやっぱし俺みたいにずっと保健委員やってるんだけどよ、ホモなんだよ。真性の。お姉言葉だし」
はぁ?と俺が聞き返すと更に望月先輩は続ける。
「もう毎年保健委員は大変だぜ、あいつ見境ないからな。中学ん時俺も襲われそうになったけど返り討ちにしてやったぜ」
ハハハと乾いた声で先輩が笑う。
んじゃあ三好は危ないのでは?
「感謝しろよ?友達に。お前なんかひ弱そうだから真っ先にペロッと喰われちまいそうだし。まぁそれでなくても喰われそうだかな」
「喰われるって?何で?」
何だか俺は状況が良く飲み込めず再び聞き返す。
「何でって、そいつが飢えてるからだろ。ここなんか男子校だし、全寮だし、そういう奴多い訳よ。大人しく一人でマスでもかいてろって話だよな。全く。俺と同室の奴も入れ替わり立ち代わり部屋に連れこみやがって、迷惑な事この上ねーよ」
先輩の言っていることが俺には半分も理解出来ない。
マスって魚?つれこむって何を?
「わかんねーって顔してんな。編入生だし、平和そうな面してるし、仕方ねーのか?知らないなら知らないでいーがな。 まぁとりあえず気をつけろよ。お前みたいにひ弱でぼーっとしてるお人好しなんか最高にヤリやすいんだから」
そう言って望月先輩は作業を開始した。
俺も何が結局なんだかわからないまま作業を再開する。

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