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ハルノヒザシ

「いよー前田。結局入ってきたのか?馬鹿だなーお前。めちゃくちゃこきつかってやるから覚悟しとけよ?」
けらけらと笑いながら望月先輩は言う。
「はぁ…」
「んじゃ、残っている事だし、仕事したいんだろ?俺と一緒にカード書きやろうか」
「イヤ、俺、今帰ろうと思っていたんです」
ガタッと立ち上がり逃げようとするが直ぐに肩を掴まれ引き戻される。
痛いし、怖いしで最悪だ。
「遠慮するんじゃない。ほら来いよ」
そのままズルズルとカウンターまで引きずられて行き、席に座らせられる。
「ハイ、これがカード。これが俺が書いた手本。これ通りにそっちの目録から写せ」
バンっとかなり大量のカードを積み上げ望月先輩はニコッと笑った。
そしてそのまま俺の隣に座り自分も作業を始める。
この人の偉い所は人に言うだけではなく自分もしっかりやる所だよな、と俺は思いながら仕方なく作業を始めた。
望月先輩の書いた手本を見ると意外にも硬筆のお手本のような字でびっくりする。ホントにギャップの多い人だ。
俺は字が女の子っぽいから羨ましい。
カリカリと静かに時間が過ぎて行く。
「ところで先輩。聞いてもいいですか?」
カリカリと作業を進めながら俺は尋ねる。
「ああ、何」
作業を止めずに望月先輩が答える。
俺は気になっていた事を聞く事にした。

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