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ハルノヒザシ
アンラッキー
「じゃーなー、前田ー」
「じゃあなー、また明日」
同室の音羽と二条の部屋の前で二人と別れ、自分の部屋へと戻る。
あ、靴があるから既に戻ってるなー三好。
「ただいまーって、三好!?」
入った瞬間、テーブルにぐったりと頭を預けている三好が目に入った。
シャワーを浴びた後らしくやや濡れた髪をして首にタオルをかけラフな恰好をしている。
「…三好?寝てるのかな?」
ちょんちょんとつつきながら名前を呼んでみるが返事は無い。
どうしよう、こんな変な恰好で寝てて大丈夫なのかな。
「まぁいいや、俺もシャワー浴びよ」
三好を起こさないように、物音を潜めながら着替えを引っ張り出す。
だが、慣れていない歩き方をしたせいだろうか。
ベッドの足に思いっきり小指をぶつけてしまった。
「…ぃ!…」
声に出さないような叫び声をあげ、思わずうずくまる。
痛い。これは痛い。思わず涙が滲むくらい…。
「大丈夫か?前田」
後ろからの声に顔だけそちらに向けると、頭をテーブルに付けたまま此方を見ている三好と目があった。
「大丈夫…。つーか起きてたんだ…」 「まぁな…」
本当に疲れきった顔をしている三好。どうしたんだろ。
「何かあったの?三好…」
小指の痛みを堪えながら立ち上がり、俺は三好の隣に腰かけた。
「特に…。ただ疲れた…。精神的に…」
「そう、お疲れ…」
スッと手を伸ばし三好の頭を撫でてみる。
「んーどーも、でも今日の俺めっちゃ不運だからな…」
触ると不運が移るぞ、と言いながら三好がちょっとだけ笑った。

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あきゅろす。
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