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ハルノヒザシ

「だってさー、残念だったね小平太ー」
「でもー…」
「本人の意思は尊重してやれー。でも、前田も気が変わったら何時でも大歓迎だからー」
そう言ってにっこりと微笑む桃山先輩。
「ハイ、すみませんでした。ありがとうございます」
人の良さそうな穏やかな笑みにつられて俺も笑顔になってしまう。
「じゃあ、マネージャーは、マネージャー?」
諦めきれないと言うような表情で音羽が妥協案を出して来る。
マネージャーか。そんな役目あるんだ。
何するんだろ。手伝いとかかな?
「ああ、いーねー。それもー、よく働くんだろ。前田はー、望月が言ってた」
後多分よくサボるとも言われているんじゃないだろうか…。
まぁ合宿とかに行かないで普段手伝うだけだったら俺もやってもいい。
「そうですね、普段だけだったら…」
「ちょっと待て、何?前田陸上のマネージャーになるわけ?だったらバスケ部のマネージャーになれよ」
俺が微妙に承諾しかけた時、横から割り込む望月先輩の声。
「駄目です!さきに前田に目をつけたのは俺ですよ!!」
「そうだよー、割り込むなよ、望月」
「関係ねーよ、んな事。しかも前田に目をつけた、て言うんだったら絶対俺の方が先だ!!」
いきなり言い合い始める陸上部員とバスケ部員。
俺はどうしたらいいかわからず、成り行きを見守るしかない。
「バスケ部より陸上部の方が楽だよ、前田!バスケ部なんかどんだけこき使われるかわかりませんしね!」
「そうだよー、だいたい望月は図書委員で前田の事をこきつかってんだろー。どんだけ前田をこきつかう気だよ」
「うるせーな、だからといって陸上のマネージャーになるのをおめおめ認める訳ねーだろが!」

うわぁ、何か本人さしおいてヒートアップして来たな。
つーか音羽凄いな。望月先輩に言い返せるなんて…。
側に立尽くしながらぼんやりとそう思う。

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あきゅろす。
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