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ハルノヒザシ

やって来た人物の髪は見覚えある金髪。同時に隣に居た音羽が『将軍だ…』と小さく呟きを漏らす。
それらが表すのはたった一人。
「あ、望月先輩…」
「何してんだ、前田」
立ち止まった望月先輩が状況を把握するように一人一人の顔を見るがさっぱりわからない、と言った表情で俺を見た。
ぶっちゃけよく知らない体育委員長もとい桃山先輩と対峙させられていた俺は知っている人が現れた事でほっとする。
「今、俺んとこの小平太と前田を勧誘してたとこー」
「へぇ、陸上に?何、前田足速ぇの?力は全くないけど」
ゆるーく話す桃山先輩の言葉に、昨日の腕相撲を思い出したように、少し笑いながら望月先輩が答えた。
何だかこの二人仲が良さそうだな。
「ふーん、前田、力無いんだー、でも確かにそんな感じだねー。で、結局どう。入部するー?」
じっと俺を見ながら言う桃山先輩。隣からは痛いくらい音羽の視線を感じる。
うう、言いにくい雰囲気…。
「すみません。俺は入る気は無いです…」
ペコリと頭を下げながら言うと、えーっと言う音羽の声。
ごめんな、音羽。せっかく誘ってくれたのに…。
いや、つーか無理矢理拉致られて来ただけなんだけど…。

俺は運動部には入りたくないんだ。
合宿とかがあるからさ…。



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あきゅろす。
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