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ハルノヒザシ
4・(夏月視点)
風間の拳が俺の頬を掠める。
その次の瞬間俺は腕を上げると、そのまま風間の腕を掴んで素早くうつ伏せに床に押さえこんだ。
「…っつ…!」
俺から身を離そうと風間が暴れるが、俺の拘束から逃れる事は出来ない。俺は押さえつけている膝の力を緩める事無く、風間を見下ろす。
風間と俺とじゃタッパが違う。もちろん体重も違う。
だから絶対的な力の差が出る。
確かに風間は早いけど、俺にとっちゃそれだけだ。
止めてしまえば圧倒的に俺が有利なのだから。
「ハイ、捕まえた。さて、お仕置きタイムだ。どうしてほしい?」
からかうような俺の声に俺を睨む風間の目に悔しさが浮かぶが、すぐに不敵な笑みをとり戻す。
「そうだな。めちゃくちゃ俺が復讐に燃えられるぐらい激しいのがいいな」
「お望み通りに」
邪魔な学ランを脱がせ、俺は笑う。
「お前結構可愛い面してるしな。顔は止めといてやるよ」
つーか顔やるとバレるしな。明らかに俺の仕業って事になるし…。
スッと手を伸ばし片手でシャツ越しに風間の肩を押さえつけ、もう一方の手で腕を掴む。
何をする気だと疑問の表情の風間。
すぐわかるよ。

次の瞬間俺は腕に一気に力をこめた。
ゴキリ、という骨が外れた嫌な音が響く。
「…くっ!…」
風間の顔が痛みに歪む。

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あきゅろす。
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