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ハルノヒザシ
3・(夏月視点)
(やっぱ、早いな)
再び殴りかかって来る風間の拳をサバきながら俺は思った。
反撃するスキが無い。
間違いなく俺が喧嘩して来たなかでベスト3に入る強さだ。
にやつく風間のその顔は楽しくてしょうがないとものがたる。
別に俺は楽しくないんだけどね。この戦闘マニアめ。
とっとと終わらせて帰りたい。
「…っつ…」
ぼんやりしていた俺に風間の回し蹴りがまともに当たり思わずうめいた。
連撃するには絶好のチャンスなはずなのに風間が再び後ろに飛ぶ。
「前田さー、本気出せよ。なんで攻撃してこねーんだよ。つまんねーだろ」
拗ねたような風間の声。
知るか、ボケ。
「それともなに?やっぱ本格的にはるちゃん先輩に手を出さなきゃ本気になれない?いーよ、別に俺は。はるちゃん先輩可愛いし…」
ヘラヘラと笑う風間。
残念だがそれは無理だ。
「自分より弱い相手になんで本気出さなきゃなんねーんだよ」
俺の言葉にふーんとつまらなそうな顔をする風間。
ちょっとしたいらだちが見て取れる。
「あっそ。余裕は結構だけど本気出してもらえなきゃ、喧嘩がつまらないじゃん」
喧嘩…?つまらない…? そりゃ残念だ。でも違うんだよね、それは。根本的に。
風間が跳躍、次の瞬間俺の目の前に拳がつき出される。

お前のお遊びは終りだ。風間。 付き合ってやるなんて優しいだろ、俺は。
こっからは俺の時間。
俺はテメェと喧嘩しにわざわざここに来たんじゃない。
俺はちょっとはしゃぎ過ぎたテメェにお仕置きしてやるためにここに来たんだ。

嘘は付いて無いだろ。
…兄貴。


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あきゅろす。
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