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ハルノヒザシ

「ったく、何なんだよ。アイツ等は…」
ふぅ、とため息をつきながら望月先輩が呆れたように言う。
「えっと、何であんなことになったんですか…」
カウンター内に戻って行く望月先輩に続きながら、俺は小さな声で尋ねる。
だって、望月先輩が怖いし…。
チラリと振り返る望月先輩。
いつも以上に鋭いその目に、俺と神田君は思わずビクッと震えあがる。
「何かあの銀髪の野郎がいきなり現れて、お前に会いたいとかほざいたかと思えば弟君が現れてあーなったんだよ」
簡潔な説明。
起こった事は理解出きるが、何故そうなったか理解出来ない。
くるみちゃん、俺に用なんか無いと思うけど…。
先ほど三好に注意されたばかりなので少々気にかかってしまう。
「あの銀髪の少年…、怖かったです。夏月君も怖かったけど…。あの二人昼も喧嘩してたんですよね」
神田君が思い出したように俺の横で口を開く。
本当に中学生なんですか?あの二人。
気を取り直してきたように神田君がいつものようにズケズケ言い出した。
「お前の回りにはいつも厄介事が絶えないな。前田」
「はぁ、何か色々と困ってます」
俺が複雑そうな顔をしながら答えると、少しだけしょうがなさそうに望月先輩は笑った。
そのあと大量に仕事を言い付けられたけど…。
やっぱこの人は起こらせちゃ駄目だと思いながら神田君と共に半泣きになりながら作業を開始する。


夏は今何してるんだろ?と気にかけながら。


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あきゅろす。
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