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ハルノヒザシ
5・(夏月視点)
フワリと風間の身体が浮かび上がり、瞬間、風間を押さえていた両腕に衝撃。
「…っつ…」
思わず風間から手を離す。
ニヤリと笑った顔の風間が後ろに飛びずさる。
なるほど、喧嘩が強いって言うのは事実らしいな。
素早く体制を立て直し、後ろに飛んだ風間との距離を詰め、右腕を振り被る。
ごめんね、兄貴。一発だけ許してね。
風間の腹に容赦なく腕を振り下ろす。
が、風間の腹にめり込むハズだった拳は食堂の壁を殴打。

かわされた。早い!

やばいと感じて距離を取ろうとした時、眼前に現れる風間のにやけた顔。
頭突きが来ると本能的に察した俺は後ろに首をのけぞらせようとすると首元を掴まれ、引き戻される。
ニィっと笑う風間の顔が近づいて来た時、さっきの俺の考えが勘違いだった事を悟る。
やばい、嫌だ。寄るな。
瞬間的に風間から離れようとしるが、いかんせん妙な体勢を取って居るため少しだけ動作が遅れる。

唇に感じた妙な感触。
視界一杯に広がる風間の顔。

「間接キスだよ、嬉しくない?」
耳元で囁く風間の声。
ゾワっと全身に鳥肌がたつのがわかる。
そのままグラリと傾く俺の身体。
足に力が入らず俺はそのまま派手な音と共に倒れこんだ。
ガッと頭に鈍い衝撃、意識が遠くなっていく。
「夏!?」
兄貴の叫び声が遠くで聞こえた。

第一ラウンド。
風間来海VS前田夏月

まさかの夏月ノックダウン。

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