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ハルノヒザシ

「ああ、えっとね…。先週お前がいなかった日曜日に…」
俺が呑気に三好に解説を始めると回りがザワザワとざわめきだす。
なんだろうと後ろを振り向けば、ちょうど一番近くのテーブルを飛び越え俺達に近づいて来る、学ランの少年の姿。

あ、夏だ。

「風間!!兄貴から離れろっ!!」
タンッと足音も軽く着地した夏が叫ぶ。
風間って、くるみちゃんの事知ってるんだ。
そういや同じ学年だもんな…。
「夏、くるみちゃんと知り合い?」
俺の言葉に夏の目が驚いたように揺れ動いた。
「何、兄貴…。この戦闘マニアと知り合いな訳?」
戦闘マニアってもしかしなくてもくるみちゃんの事?
よく事情が飲み込めない俺は夏とくるみちゃんの顔を交互に見つめた。
焦ったように近づいて来る夏。
不敵に俺の横で笑うくるみちゃん。
「はるちゃん先輩ってやっぱり前田の兄貴だったんですねー」
全然似てないけど、と俺の横でくるみちゃんの声がする。
さっきまでの明るい、無邪気な声とは明らかに違う声色。
スッと前に身を乗り出して来た。
更に密着する俺とくるみちゃんの身体。
気がつけば、くるみちゃんの顔が息が当たる程近くにあった。
大きな瞳に俺が映っているのが見える。
視界一杯に広がるくるみちゃんの顔。

そのまま柔らかいものが俺の唇に触れる。

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