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ハルノヒザシ

四時間の午前の授業が終わり、チャイムが鳴り終わると後ろからガタンと椅子を引く音。
やっと三好が起きたらしい。
クルリと振り返ると、ほらやっぱり。起き抜けのぼーっとした顔の三好と目があった。
「おはよう。よく眠れた?」
「ああ、ぐっすり」
まだ微妙に焦点のあっていない目付きで三好が言う。
よし、じゃあ起こしてやろう。
「なー、三好…」
何?とでも言うように視線だけで俺を見る三好。
ああ、言うのはかわいそうだけど、知らせないと困るのは三好だしな。
「今日、保健委員の集まりあるって」
一瞬目を見開いた後、途端に曇る三好の顔。
長く延ばした前髪と眼鏡で隠れて実はよく見えないけど、多分そうしていると思う。
はぁ、と深いため息をつく三好の前で弁当を広げながら朝の決定を話した。
「そーか、まぁアミダでも俺は別に構わないけど。出来りゃー中の競技がいいな」
しかし球技大会か、タルいな、と呟きながら弁当をパクつく三好。
俺も自分の分の弁当を食っていると、後ろから先ほどの体育委員の音羽君が近づいて来た。
「いよ、お二人さん。じゃあ好きな所選んでくれる?」
ひらりと手に持った紙を閃かせ、俺達の目の前に置く。
書かれているクラス全員分のアミダくじ。

さて、何処にしようかな?

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あきゅろす。
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