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ハルノヒザシ

「夏?終わった?後ここだけなんだけど」
カチャリとドアを開けながら覗くと夏の姿が見えない。
あちゃー寝てるよ、夏。
やりたい放題だな。
すぐに二段ベットの下に寝ている夏に気付いた俺はふっと短い溜め息をついた。
仕方ない、俺がやりますか。
とりあえず俺は散らばった漫画本を片付け始める。

四畳半の空間に二段ベッドと学習机と棚が一つずつ。

一応夏と俺の部屋であるものの俺はいつもリビングで過ごしていたし、和室で寝ることも多かったから夏の部屋のようなものだ。
その証拠に置いてある漫画、CD、雑誌や服は夏のものばかり。
まぁただ単に夏がだらしないっていうのもあるんだけどね。
ちゃんと整理しないから。
捨てていいものかわからないので俺はとりあえず分類し机に並べた。
クローゼットの中には昔の制服や冬服。
必要なものだけ送って後は捨ててしまおう。
寮のクローゼットそこまで大きく無いしな。
テキパキと整理していると俺の前の高校の制服が目に入る。
もう、着ることの無い学ラン。
俺はしばらく目を止める。
すげぇ頑張って入ったのにな…。
一年で止める事になるとは
夢にも思わなかった。

……。

捨てよう。もう使わないし。


少しだけ泣きたくなりながら、俺は決心した。

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あきゅろす。
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