ハルノヒザシ
6
「大家さーん、バカコンビ潰れちゃいましたけどどうすりゃいいすか」
数時間後。泣き声がしたり怒声がしたりドダバタしたりでうるさかった隣の部屋がいつの間にか静かになり平然とした夏が現れる。
「寝かしておいていいよ。泊まっても構わないから。それにしても随分と賑やかだったね」
「本当ですよね。ったく、うるせーたりゃありゃしない」
ドカッと夏が俺の横に腰を下ろしながら言う。
お前も騒いでた一人だろうが!
「全然平気そうだな。どれくらい飲んだんだ。結構小木が買い込んでたけど」
「ビール六、七本に日本酒が、えっと一升近くくらいっすね。まだイケますよ」
「ザルだなー。お前」
大森さんが夏に缶ビールを手渡しながら言う。
「ちょ、まだ飲むのか?」
缶を開けて早速飲み始める夏。
どんだけ飲むんだよ。
「ビールじゃ酔わねーよ。兄貴ツマミー。酒蒸しがいいな。アサリの。買ってたじゃん。ウインナーでもいい」
明日の分なのに。また買い出し行かないとじゃん。
仕方なく俺は渋々立ち上がった。
台所行くついでに隣の部屋を覗くと
うわぁ、すごっ! 酒の空瓶やビールの空き缶やらと共に小木さんと中林さんが倒れている。
小木さん何で半裸なんだろうか?
まぁとりあえず後で片付けに来ようと思いながらそろそろと扉を閉める。
それにしてもアサリの酒蒸しか。夏のおつまみのセンスは中々渋いな。
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