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ハルノヒザシ

トコトコと出来上がったおつまみを大森さんと大家さんの所へ持って行く。
夏と小木さんと中林さんの所にはあまり近付きたくない。
マジでギャーギャー騒いでるし…。
「おつまみどうですか?」
テレビの前に座りながら酒を飲む二人に後ろから声をかける。
「ありがとう。春日君は気がきくねー。カレーとても美味しかったよ。ごちそうさま」
ニコニコと笑う大家さん。
顔がほんのり赤い。
「センキュー。春日も飲まねーか?つうか何やってんだよ、アイツら。うるせーな」
大森さんが皿を受け取りながら隣の部屋を睨む。
「いいじゃないか、春日君や夏君が帰って来たから嬉しいんだよ。小木君も中林君も…。賑やかでいいじゃないか」
さすが大家さん。
人間が出来てる。
未成年が飲酒してるのに。
「ほら、飲め。春日が酔うと面白いから」
「イヤです。俺未成年だし。酔っ払った時の記憶が無いし」
大森さんが差し出した酒を俺は丁重に断る。
一回だけ正月で飲まされた事があるが一杯めからいきなり記憶がない。
夏ももう人前で飲むなと言ってたし…。
気が付いた時には朝だったし。
酒なんて苦いだけだし。

俺がさっそくアパートの俺達の部屋を片付けたいと申し出ると大家さんに今日はゆっくりしなさいと言われたので甘える事にした。
そのまま俺と大森さんと大家さんはテレビの前で話しながら、夏と小木さんと中林さんは隣の部屋で騒ぎながら里帰り一日目の夜は更けていく…。

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あきゅろす。
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