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ハルノヒザシ


「ちゃーす!!」
俺がカレーを作っていると突然玄関の方が騒がしくなる。
「あっ靴がある!」
「春日と夏が帰って来てるって本当なんだな」
「あー何かいいにおいするー」
ざわざわと廊下に話し声が響く。大森さんたちがやって来たようだ。
ナイスタイミング。もう、少しで出来ますよ。
「ちっ、来やがったよ。マジうぜー」
夏がそう毒づいた瞬間ガチャリと居間のドアが開いた。
「あっ、夏じゃん。相変わらず憎たらしい顔してるなー」
真っ先に顔を出したの小木さんと中林さんだ。小木さんは短く切った頭にかなりの大柄。アメフトやってるんだって。
中林さんはスラッとした体躯にかなり明るい色の髪色。一見してモテそうなタイプ。
二人とも大学二年生だ。かなり仲が良くいつも二人で夏をイジめている。
「来るんじゃねーよ。アホコンビ。触るな」
「んだとこのやろー」
憎まれ口を叩く夏の首をしめている小木さん。もっとやっちゃってください。
続いて入って来たのは大森さんと大家さん。
「いきなり何してるんだよ。お前らー。あっ春日。よく来たね」
そう言いながら俺に笑いかける大森さんは眼鏡をかけ、常にボサボサとした頭をした長身の人。見た目はともかく中身はしっかりした人で小木さんと中林さんに慕われている大学三年生だ。
ちなみに一年浪人しているらしいよ。
「ちょうどいいタイミングですね。もう食べますか?カレー」
いいにおいだなーと近づいてくる大森さんに俺は尋ねる。
「食べる、食べる。手伝うよ」
あっ、じゃあご飯盛ってもらえますか、と俺が言うと大森さんはとっとと食器棚に向かい皿を出してきた。
かって知ったる他人の家。大家さんの所には隣のアパートからよく人がやってくるからな。
俺もよくここの台所使ってたしね。
俺が大森さんと並んで用意をしていると後ろからはギャーギャー喚いている夏と小木さんと中林さんの声。

うん。帰って来たって感じ!

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