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ハルノヒザシ


ピーンポーン

スーパーから歩いて約五分。
俺はある家のインターホンを押した。
その家の隣にはちょっと古めかしいアパート。
ついこの間まで俺達の家だった場所…。
「すいませんー!前田ですけど」
俺が家に向かって叫ぶとガチャリと家のドアが開き、中から小柄な老人が現れる。
「春日君に夏月君。よく来たねぇ。おかえり」
「お久しぶりです。大家さん。今日はお世話になります」
「こんちわー。お世話になりまーす」
『おかえり』と言う大家さんの言葉に一瞬俺はどきんとした。
また、帰って来てもいいのかな?
ここに…

「さぁさぁ待ってたよ。入って入って」
手招きしながら大家さんが俺を呼ぶ。
「「お邪魔しまーす」」
純日本日本風の家。
結構な広さのこの家に大家さんは一人で住んでいる。
「んじゃあ早速作りますねー。何時ぐらいに食べたいですか?」
台所に入り、腕捲りしながら俺は言う。
「そうだね。大森君達は何時も六時ぐらいに来るし、それくらいかな?」
「わかりましたー。じゃあ台所お借りします。夏!暇だったら手伝え」
勝手に居間の方でテレビを見出していた夏に、俺はエプロンを締めながら叫ぶ。

えー嫌だーって、夏、お前の分だけ人参丸ごと入れるぞ!!

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あきゅろす。
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