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ハルノヒザシ

次の日の早朝。

「忘れ物ないか?」
「うん。大丈夫。それでは私実家に帰らせていただきます!」
「ああ、気をつけてな。いってらっしゃい」
俺がふざけたのに三好は普通に返して来る。
こういうのって意外とキツいんだぞ!
「頼むから、ツッコめよ…。じゃあ三好いってきまーす。ちゃんと飯食えよ、カップ麺ばっかじゃ栄養偏るからなー」
わざわざ起きて見送ってくれる三好に手を振りながら俺は部屋を出た。
まだ人の少ない寮の階段をタカタカと下りて行く。

「あっ、夏ー。おはよー」
「おはよ、兄貴」
寮を出るとそこには既に夏の姿。
コイツ朝強いんだよな。俺もだけど。
そのままトコトコとバス停へと向かう。
「その服見た事ないね。買ったの?」
「違う。これ三好の。貸してもらった」
夏が指先したのは俺が着ているタートルネック。
首の包帯をなるべく隠したいので三好に貸してもらったものだ。
「どーりで。何か兄貴にしてはオシャレだしね」
ケラケラと夏が笑う。
ほっとけ。

バス停に着くとさすがに休暇中。
何人か峡城の生徒が待っている。
時計を見ると既にバスの時間だ。

うん、十五分ほどやっぱし遅れて来たけどね。


バスに乗り込み一時間ちょい。
そこから電車に乗り換え四時間。
俺達が生まれた町がそこにある。

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