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ハルノヒザシ

「ちょ、そこで待ってて。すぐ行くから」
そう言って夏の姿が窓から消える。
「何だ。手間が省けたな」
三好も俺と同じ事を思っていたらしい。
探した割にあっさり見つかったからな。

「あーにーきー!」
向こうから胴着姿の夏が走って来て何時ものように抱きついて来る。
でも、何時もより力が入ってないのは気のせいか?
「ちょ、離れろ、汗くさい」
「くさいって…、酷い!兄貴!!」
大袈裟によろめきながら夏が俺から離れる。
昔は胴着、洗ってやってたけど今は自分でちゃんと洗ってんのかな、夏は…。
でも相変わらず、胴着似合うな。
「それで何の用?」
立ち直った夏が聞いてくる。
そうだ、そうだ。余計な事を考えてる場合じゃない。
「あっ、そうそう。夏、GW暇?」
「いや、部活あるけど」
そうなのか、まぁ予想してたけど。 仕方ない。一人で帰ろう。
「そうか。実は俺、明日から荷物処分しに一旦帰ろうと思ってるんだけど、何かやってきて欲しい事あるか?」
「えっ、兄貴帰るの…?」
「ああ、大家さんに泊めて貰える事になったし。部活があるんだったら夏はそっち優先した方が…」

「俺も帰る!!」

兄貴を一人じゃ行かせない!と夏が叫んだ。
部活いいのかな。

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あきゅろす。
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