ハルノヒザシ
プロローグ
俺は前田春日。春休みが終われば高校二年生になる、ごく普通の高校生男子だ。あと1週間ほどでまた新しい年が始まるなと思っていた矢先に
母さんが再婚した。
相手は若くかっこいいベンチャー企業の社長。いかにも母さんが好きそうなタイプだ。
ちなみに今年で父さんが亡くなってから六年がたつ。母さんの中ではすっかり父さんは過去の人。
「邪魔なのよね。子供がいると。このアパートも解約するし」
式の二日前、いつものように煙草を吸いながら母さんはボソリと俺に聞こえるように呟いた。
「だから転校して頂戴」
母さんのその一言で俺は今ここに荷物をまとめてやって来た。 元いた街から遠く離れたこの全寮制高校に。
今日は母さんの結婚式。
母さんの中では俺もすっかり過去の人。
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