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18禁シーサー
木手永四郎 名前変換少 偽名有 8/12↑
誰でも良かった訳じゃない


ただ一人で居たくなかった・・・・


優しい一夜だけの温もりが欲しかった





何もかも真っ白になるまで頭を空にしてしまいたかった。






サワー、20歳3ヶ月と10日。





携帯のサイト、誰もがあたしと同じ衝動に突き動かされ一夜の出会いを求める掲示板。
危険が隣り合わせているその場所は今のあたしには心地いい刺激だった。
いつもは見るだけで、書き込む事は無かったが今日のあたしは何処かおかしかった。

一人で居たくなかった。




【朝まで傍にいて欲しい。会える人いる・・・?リナ】


偽名を使ったのは、何処か後めたい気持ちがあったからかも知れない。愛情が欲しかった訳じゃない


短時間で沢山の書き込みがあった。
目に止まったのは一際短い文字

【俺でもいい? 凛】

何処の誰かも分からないけど、ただなんとなくその文字に引かれた。
待ち合わせに選んだ公園は車で30分足らずの場所だった


ぼんやりとハンドルを握り音楽を耳が痛くなるほど鳴らして、アクセルを踏んだ。
このまま何処かに衝突してもいい・・・・そんな感じだった・・・



公園は暗く街灯も疎らで外に出ると煙草に火を着け空を見上げた。
星なんてひとつもない真っ暗な空・・・・・

凛「リナ・・・・」

背後から迫る影は低い声で迫る
其処に居たのは深い瞳をガラスで隠した背の高い男。

「凛・・・?」

あたしの手から着けたばかりの煙草を取り上げると一口吸い煙を吐く・・・
真っ暗な空に白く浮かびふっと消える・・・



凛「・・・・・・」
妖しく笑う凛と名乗る男は、煙草を地面に踏みつけ当然のようにあたしの頭を撫でた。
大きくて少し冷たい手・・・

「とりあえず乗って・・・」

凛「・・・お邪魔します。」

静かに乗り込んでドアを閉めた、エンジンを掛けると耳を塞ぎたくなるような音量に凛は顔を少しだけ顰める。

慌ててボリュームを下げるあたしに凛は何故か笑う。

「ごめん」

凛「随分体を痛めつけるのが好きですね?」

あたしは何も答えなかった、これから向う場所での行為はもっと痛めつける事だと分かっていたから。

公園を後にしてしばらく走るとキラキラと綺麗なネオン街へと車を滑り込ませた。

部屋の中に入るとあたしは全ての照明を落とし、ベッドから一番離れた場所のスタンドだけに光を残した。
あまり顔を見られたくない。

凛はそれを察したのか無言で後からあたしを抱きしめた。

凛「優しくなんて出来ませんよ・・・」

頷く暇もなくベッドにうつ伏せに寝かされる、背中にかかる重みはあたしを息苦しくさせた
シーツを掴む手に重なる大きな手は手首を掴んでぎゅっと折れるほどに拘束する・・・・
其の痛みにさえ興奮する。
あたしは異常だ・・・・・・

髪をかきあげ首筋に落とされるキス・・・
耳を噛み、暖かい舌であたしを酔わせる
過去の行為では感じられなかった感覚
この人いつもこんな事やってんのかな・・・・
ふと頭をよぎる
手馴れ過ぎた其の動きに、まだそう触れられても無いのに息を乱した・・・・

凛「随分といい反応ですね・・・」

耳元で囁く声は甘く脳を揺らす
声だけでこんなに溶かされるなんて・・・・・
ピクンと揺れる異常な体を男に任せ其の熱を受け入れる。

必要以上に凛はあたしに触れない。
その必要は無いと分かっていたのかも知れない

寂しさを埋めたいあたしは熱い凛自身をゆっくりと受け入れた。
内臓を押し上げられる感覚は甘い声を誘う

「ん、ゃ・・・・・」

痛いほどに何度も何度も・・・
顔が見えない分、聴覚は鮮明さを増す。
凛の息使いが理性をなくさせる・・・・・


「あ、あ、っ・・・んん、あっ・・・・・・」

大きな手があたしの髪を掴み後方に引かれる、反った体にかぶり付く様な荒々しい口付け・・・・
其の手はあたしの腕を捕えると引き寄せた
叩きつける卑猥な音が部屋に響く、快楽に飲み込まれていく、イクかイカないかそんなギリギリの感覚を彷徨ってる・・・・
ギリギリの場所は嫌な事も何もかもを奪う・・・
そしてあたしが望んだように真っ白にさせた。
もうどれくらいこんな感覚を味わってるんだろ

凛「リナ・・・・」


自分が名乗った名前の事すら忘れかけてた・・・
律動は止む事もなく激しさを増して軋む体を楽しむように熱を分けた・・・・

こんな男味わった事がない・・・・


震える足がもう限界だと思った瞬間凛はあたしの背中をベッドに押さえつけた、膣壁を抉る様にかき回し続ける・・・・


「ハアっ・・・やっ・・・もぅ・・・ダメっ・・・」




其の後の事はよく覚えていない・・・・
目を覚ますと凛の腕の中に居た
カーテンの隙間から入る光が凛の顔を少しだけ鮮明に見せる。
こんな顔してたんだ・・・・
寝顔を眺めているとうっすらと開く。


凛「おはようリナ・・・」

「・・・・おはよう、凛・・・・」

少し気まずい空気を残して視線を外すと凛はまた当然の様にあたしの髪を撫でた。
頭の下にある腕からゆっくりと聞える鼓動はあたしを優しく安心させる・・・・


凛はゆっくりと頭の上から眼鏡を取ると鋭い瞳を隠した


時計に目を凝らすとバッ!!っと体を起す

「・・・???どうかした?」

凛「ええ、帰らなくては」

凄く慌てた姿にあたしも慌てて身なりを正す。

「送るよ。」

凛「お願いします。公園で構いません」

「・・・うん」

忙しく乗り込んだ車を急かすように急ハンドルで公園に行った。
昨日真っ暗だった公園は多くの学生らしき人が溢れていた。

凛は携帯を取り出し慌てた様子で誰かと話していた。

凛「今何処です?ええ、直ぐに行きますから俺のバッグをお願いします。」

仕事なのかと思い駐車場に車を入れる。
車を降り周りを見回す凛をじっと見ていた・・・・



?「なにやってるんばぁ?」

「ゲッ!Σ(・ω・;|||凛!!何でココに居るの?」

平「永四郎!!何でうちのね〜ね〜と一緒なんば?」

「永四郎・・・・・?」

永「・・・・」

永四郎と呼ばれたその人は罰が悪そうな顔をしながらうちの弟からテニスバッグを受取った。

永「平古場のお姉さんとはね・・・・俺とした事が・・・」

困った顔で見下ろす顔は昨日とはまるで別人だった。

「知り合い・・・?」

弟の顔を見ると、なんかあ〜あ見たいな顔された。

「もしかして同級生?」

ヤバイ・・・本気で・・・・
14歳に手を出して、いや、出された・・・
あたしのふら〜〜〜〜〜〜〜

永「平古場君の名前を名乗ったのは間違いでしたね・・・リナ・・・・キミの本当の名前を知りたい・・・・・」

「サワー・・・・・」


永「サワー・・・・俺は木手永四郎です。」

「木手永四郎・・・・」

永「今度は永四郎としてあって欲しい・・・俺みたいなガキはダメですか?」

そっと撫でられる髪が指に絡む・・・・

平「永四郎!!!わんのね〜ね〜やっし!!ぬ〜がじゅんに口説いてるばぁ?」

永「いけませんか?」

冷たい視線に黙る弟・・・・
刺さるような視線に仮にも自分は大人なのだと理性の盾を掲げる。
中学生と分かった以上逢う訳にはいかない・・・・

「・・・・木手君・・・・もう・・・」

精一杯掲げた盾は脆くも崩れる・・・・一言で・・・

永「昨日はあんなに俺を欲しがった癖に・・・?」

引き寄せられて其の腕に抱かれれば昨日の感覚が鮮明に蘇る・・・・

「・・・・・・・」

永「また俺に抱かれたいでしょ?サワー・・・」

「・・・・・・・」

甘い、甘い声が泣きそうになるくらいに求めてしまう・・・・・



時計を気にした弟の声に永四郎は髪をひと撫でして優しく笑った。

永「5時に終わります。此処で待ってなさいよ?」









二人を見送って家に戻るとグッタリとベッドに体を埋めて罪悪感に満たされた・・・・
でも時計の針を気にしてる自分に溜息が出る。
仮にも中学生・・・・



いつの間にかウトウトと睡魔に襲われたあたしは視界に入る時計にハッとした。
もうとっくに日は暮れ針は7時を刺していた・・・・





















暗闇に煌々と光を放ち滑り込む駐車場に彼の姿は無かった・・・・・・























エンジンを切り携帯を開く・・・・


















サイトの掲示板を眺めると捜索板にリナの文字・・・
ゆっくりとボタンを押す指は少し震えていた。





















リナ・・・・逢いたい・・・・





テニスコートで待っています。


永四郎




















息を切らして向った薄暗いコート・・・
街灯から少し離れたベンチに彼はぼんやりと座っていた・・・・・














永「サワー・・・・・」

「ごめん・・・遅くなって・・・・・」

永「必ず来ると思いました。」


当然の様にまた髪を撫でる・・・・


永「直ぐに大人になりますから。」



END

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あきゅろす。
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