長編
瞳
今日もバイトまたもや厨房命令(*ノ-;*)
永「今日はキミですか?」
「はい」
永「何からしてもらいましょうかね?」
絶対今日も虐められるんだ・・・。
厨房に入るたびに遅いとか、早くしなさいよ、とかやり直してくださいとか・・・・ホントこの人って・・・・・・
キラリと光るアンダーフレームが怖すぎて逆らえないし、何この威圧感・・・・
永「コレ洗っておいてください。」
「あっ!はい!」
目の前に積まれたゴーヤーに眩暈が・・・・
あたしは小さい頃から大のゴーヤー嫌い。
ゴツゴツした質感を見るだけでも鳥肌が立つ。
あの苦味・・・・想像するだけで気分が・・・・
永「ゴーヤーさん?早くしなさいよ?」
「・・・・・・・・」
永「ゴーヤーさん!!!!」
「・・・・・・・・」
永「・・・・・・・?」
ゴーヤーとにらめっこしているあたしを不思議そうに覗き込む木手。
大きな手がゴーヤーを掴むとニヤリと微笑む。
あたしの手を取ると大きめのゴーヤーを手に・・・
ゴーヤーが・・・・
ゴーヤーが・・・・
あたしの手に・・・・
手に触れっ・・・・・ギャアアアアアアアAAあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バタン!!!!!!!!!!!!
永「ゴーヤーさん?ゴーヤーさん?」
木手の声が遠い・・・・あぁでも何でこんなに心地いいんだろう、叩かれる頬が痛いけどなんかこのまま眠っていたい気がする。何でこんないい臭いがするんだろう・・・・ あたしは重い重い瞼をゆっくりと開いた。 初めに視界に入ってきたのは黒い制服と木手の文字・・・・それからゆっくり顔を上げると優しい目。 光るフレーム・・・・ いつもは意地悪な瞳が心配そうにあたしを見てる。
木手永四郎があたしを見てる・・・・
見てる・・・・・?
天敵が見てる!!!!!!
ハッΣ(゜ロ゜〃)逃げなきゃ!!!!!
永「全くキミって人は何処まで手を煩わせるんですか?」
「すみません」
我に返って再び見上げた木手はいつもの意地悪な瞳に戻っていた。
やっぱりこの人苦手・・・・。
永「目が覚めたんなら早く洗いなさいよ?ゴーヤー!」
この言い方がムカツク!!!!((o(>皿<)o)) キィィィ!!
あたしはゴム手袋を装着して目を細めながら必死に洗った。
その後ろで木手は料理を仕上げている。
鍋を振るう後姿は少しだけ前とは違って見えた。
あの優しい瞳を見てしまったからかな・・・・
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