[携帯モード] [URL送信]

長編
永四郎の恋 5
家に着いた俺はオカンの声も聞こえず部屋に篭った・・・

なんで晴美なんだ

奪い取る?
晴美の女を?
俺が?



はぁ〜〜〜〜〜〜

諦めるしか無いようですね・・・・・
今までに無く弱気だった・・・・・
晴美の女に手出したら一生恨まれますからね・・・・










次の日








凛「永四郎!!」

永「どうしました平古場君?」

凛「どうしました?じゃないさ〜!どうするんばぁ?」

永「仕方ないでしょう・・・」

凛「しんけん諦めるんばぁ?」

永「ええ!」

凛「いいんば?」

永「しつこい!ゴーヤー食わすよ!」

凛「・・・・らしくないやっし!・・・・
欲しいものは奪い取るのが永四郎のやり方じゃなかったんばぁ?」

永「相手が晴美じゃなかったらそうしていますよ!」


凛「でも・・・」

永「平古場君!授業が始まりますよ!さっさと自分のクラスに帰りなさいよ!」

凛「へいへい!」











諦める・・・・そう決めたのに何をしていても考えるのはサワーの事ばかり・・・・
あの日の軟らかい感触が俺をかき乱す・・・・・

何もせずに終わるより砕けてみるか・・・・

「血を見るかもしれませんね〜」

ふと周りを見回すとクラス中が俺を怯えた目でみていた・・・・・


どうかしているな・・・・・









帰りにコンビニによる・・・あの日以来メールもしていなかった・・・・どんな顔して・・なんて話しかければ・・・・・

「情けないですね・・・」

はぁ〜〜〜〜
何も思いつかないまま店に吸い込まれた・・・
ペットボトルを掴みレジへ向かう・・・・

無言でレジを打つサワー・・・
どうして何も言わないんだ・・・・
どうして俺を見ないんだ・・・・
このまま帰るわけにはいかない・・・・

「サワー・・・」

「・・・・・・」

覗き込むとサワーの唇・額・瞼は青く腫れていた・・・
分厚い化粧でも隠れないくらい・・・・

「晴美にやられたんですね?」

俯いたまま何も言わない・・・・
このまま連れて帰りたくなった・・・・もうどこにもやりたくない・・・誰にも触れさせたくない・・・・

俯いたサワーの体は小さく震えていた・・・

「外で待ってます。」
仕事中では抱きしめる事も出来ない・・・
1時間ほどしてサワーが出てきた・・・。
何も言わずサワーの手を掴みその場から連れ去った・・・
繋いだ手は小さくて冷たくて今にも壊れてしまいそうだ・・・・








ザザッ〜〜〜

初めて遊んだ海まで来た・・・しばらく海を眺めているとサワーが話し出した・・・・

「はるくんと知り合いだったんだね・・・」

「ええ!去年まで部活の顧問でした。」

「昨日ね・・・チョットした事で言い合いになってね・・・気がついたらこんな顔になってた・・・あははは・・・」
無理して笑った顔は今にも泣き出しそうだった。

「どんな理由があれ女に手を上げるなんて・・・俺には理解できません・・・」

「あたしがいけないのよ・・・はるくんいつもは優しいよ・・・顔は怖いけどね・・・」

「殴られてもやっぱり晴美を好きなんですか?」

「・・・・・迎えに来られたら断れないってかんじかな・・」

「分かれようとは思わないんですか?」

「分かれる・・・かぁ・・・その話になるとこれだから・・・」

苦笑い・・
「本当に分かれたいですか?離れて寂しくはならないですか?」

「出来るならもう離れたい・・・」

晴美の巨体に暴力振るわれたらどんなに好きだってにげだしたくなる・・・・・

「俺が別れさせます。」
「え?あぶないよ・・」

心配そうに見上げる瞳がたまらない・・・
「俺はそんなに弱くないですよ・・・」
「でも・・・」
「俺では不満ですか?」

「ううん・・そんな事ないよ・・・けど・・・心配なの・・・・怪我しないで欲しいし・・・あたしの問題なのに・・」

「はぁ〜〜〜!!サワーさん!俺は奪い取るって言ったでしょう。もう決めました、今日から俺の女になってもらいますよ!」

「・・・・・」

「イヤですか?」

「ホントに・・・ホントにあたしなんかでいいの?」

「だから!!!キミ以外に誰がいると言うんです?俺は冗談でこんな事言いません!俺を信じてくれますね?」


「ぅ・・・うん・・」


木手永四郎 16歳
修羅場付きではあるが・・・春がきた!









「「永四郎!!!!」」

凛と彼女はすごい形相で息を切らし走ってきた・・・

「どうしたんです?」

凛「晴美がゴーヤーさんを探してるさ〜!早く隠れたほうがいい!急ぐさ!」

サワーの腕を掴み近くの岩場に走った・・・

岩陰に滑り込んだ瞬間
晴美の車の音がした・・・・

サワー「はるくんの車n「しっ!!黙って!」っ・・」

もう遠慮する事はない・・俺の女なんでから・・・・唇を重ねサワーの言葉をさえぎった・・・











「平古場!!!」

凛・カノ「せんせ〜〜〜!何してるんば?」

「サワー見なかったか?」

凛・カノ「しらな〜い!」

「そうか!見かけたら俺が探してたって伝えてくれ!」

凛「へいへい!」









凛「永四郎!もういいさ〜!」

永「平古場君!助かりました!一週間はゴーヤー免除しますよ!」

凛は目を輝かせた!

凛「これからどうするんば?アパートは晴美がくるやっし!バイトも危ないさ〜」

永「そうですね・・・バイトはもう行かないほうがいいでしょう・・アパートも・・・」

サワー「でもそうしたらあたし行くとこない・・・」

永「俺の家に来ればいいでしょう!」

サワー「でも・・・」

永「何も心配する事はありませんよ!」

凛「晴美がまた来るかも知れないさ!今日は早くかえったほうがいいやっし!!」

永「それじゃ平古場君また明日!」

凛「おう!じゃぁや〜!」

晴美に警戒しながら急いだ・・・・



玄関を閉めると安心したのかサワーは泣き崩れた・・・・

「もう大丈夫ですよ!俺が守ります!」
泣きじゃくるサワーを抱きかかえ部屋に入った・・・







晴美との修羅場が近づいているとも知らずに・・・・




[前へ][次へ]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!