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木手永四郎専用部屋(短編)
木手VS○○ (前編) 編集8/23↑
一ヶ月前の事・・・・

「もういい!永四郎なんて嫌い!別れる!」




「勝手にしなさいよ」






些細な事がきっかけで別れてしまった・・・




なんて軽率な事をしてしまったんだろう・・・。
ホントはすごく好きなのに・・・






同じクラスなのにもう目も合わせない・・・




近くにもよらな
い・・・






メールして謝ろうかな・・・





このまま終わるなんて嫌だな・・・








毎日こんな風に思ってるのに何も・・・・・出来ない・・・・








放課後教室に戻ると・・・・・そこには永四郎とクラス1ケバイ女・・・・







思わずドアに隠れて覗いてしまった・・・









見なきゃよかった・・・・・・








キス・・・してる・・・・








薄暗い教室・・・









胸が苦しくて壊れてしまいそう・・・・・





でもあたしはもう彼女じゃない・・





何にも言えないよね・・・










別に入っていってもいいじゃん・・・・・・






あたしはもう・・・・・彼女じゃ・・・ないんだから・・・・









無言で教室に入りカバンに荷物を詰めた・・・


女子「ゴーヤーさんごめんね〜!見てた?」




嫌味な女・・・






「別に謝んなくていいよ・・・関係ないから・・・」









溢れ出しそうな涙をグッと堪えて教室を出た・・・





永四郎はどんな顔であたしを見てた?








あたしはどんな顔してた?









正門を出た所で我慢できなくなり、泣きながら歩いた・・・



自分に腹が立って、情けなかった・・・




手放した幸せの大きさに押しつぶされそうだった。















「ゴーヤー!」







振り返るとそこには・・・・















「知念・・・」

「なんで泣いてるんば?」

「なんでもないよ」





そんなに話した事のない知念が話しかけて来た事に、動揺して涙も止まった。
永四郎といる時に少し話したくらい・・・









何も喋らず歩き出す・・・
知念はあたしの後からゆっくりと付いてきた・・・








「や〜ホントに別れたんば?」

「うん・・」

「そっか・・・」








今優しくしないでよ・・・









また泣いちゃいそう・・・







グッと堪えた瞬間・・・





あたしの手が暖かくなった・・・
知念の大きな手が優しく繋がれていた。


「迷惑?」









何も言えずに我慢も限界・・・・・


「泣けば?」




あまり喋らない知念の精一杯の優しさが心を暖めてくれた。


ウッ・・・うわ〜ん・・・・・

もう歩く事も出来なかった手を繋いだままその場で泣いてしまった・・・・

予想外の泣きに知念は困ったに違いない・・・。









号泣するあたしの頭を知念は優しく大きな手で撫でてくれた・・・・・
まるで子供をあやす様に・・・・








それでも泣き止まないあたしの手を引っ張って歩き出した・・・







着いた先は永四郎の家・・・

「グスッ・・・知念・・・なんで?」


「ちゃんと話せよ・・・」

「ヤダ・・・グスッ・・・さっき女とキスしてたもん・・・・」












はぁ〜〜〜〜〜
深いため息をつくと知念はまたあたしの手を引いて歩き出した・・・





着いたのは知念の家




「入れよ!」

黙って部屋に入り床に座った・・・











あんまり話した事ないのになんでこんなに優しくしてくれるんだろ・・・・

知念・・・・・ねぇ・・なんで・・・?








知念は誰かに電話しはじめた・・・






「知念だけど・・・ゴーヤー今わんの家にいる・・・や〜が10分以内に来ないとわんが貰う・・・」

ピッ・・・・・



え?えっ?え〜〜〜〜〜〜〜?
誰に電話したの?まさか永四郎?
貰う?あたしを?知念が? 貰う?









「そう言う事だから・・・」
いつもの無表情とは違い優しい知念の顔・・・・・・

どんどん近づいてくる・・・・
俯くあたしに知念の白い前髪が触れた・・・













「10分だけ待つ・・・来なかったらもう忘れろよ・・・」



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あきゅろす。
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