木手永四郎専用部屋(短編)
友香様リク 2007/05/18↑(中編)編集8/23
サワー「木手・・これ・・・それと昨日はありがと」
綺麗にアイロンがかけられたハンカチ・・・・
泣き腫らした目・・・
目の下には薄っすらとクマ・・・・・
そんなに赤也が・・・・
心乱される・・・
忘れさせたい・・・
今すぐココで滅茶苦茶にしてやりたい・・・・・・・
永「綺麗な顔が台無しですよ!眠れなかったんですか?」
白い顔を撫でる・・・
俯いて俺の目を見ない・・・・・
永「早く忘れなさいよ!」
今すぐにでも犯してやりたい・・・・・・
サワー「・・・・忘れたいよ・・・」
やっとサワーの心が俺を見た・・・・。
俺は確信と共にサワーを引き寄せた。
グイッ・・・・
サワーの耳に小さく問う・・・・
俺に落ちてしまえばいい・・・・
永「俺が忘れさせてあげましょうか?」
サワーの身体かビクッと震える・・・
後少し・・・・・
後一歩でサワーは俺に落ちる・・・・
サワー「冗談・・・止めてよ・・・」
ほら・・・・俺の罠に掛かった・・・・
可愛い女ですねサワー・・・・
永「冗談かどうか試しますか?」
ゆっくりと顔を寄せて・・・・・
これでサワーは俺のモノ・・・・・
逃がさない・・・・
ガラッ!!!!
平「永四郎!!!!っと・・・・悪い!!!邪魔した・・・・」
バタン!!!!
バッ!!!
サワーは俺の手を振りほどき席に着いた・・・・
もう少しだったのに・・・・・
(平古場凛君・・・・・・ゴーヤーだけでは済まされませんよ・・・)
ガラッ!
バタン!
隣の教室に入り無言で平古場に近づく・・・
平「永四郎悪い!!!ゴメン!!しんけん悪かったさ〜!」
平古場を猫のように掴みあげる・・・・
永「平古場君明日は葬式になりそうですね・・・・・」
怯えた目でカタカタと震える平古場凛・・・・
平「だっ・・・誰の?」
永「もちろんキミのです!」
平「ギャアアアアアアァーぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!甲斐〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜助けて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
甲斐はもちろん見ない振り・・・・・
永「今日はこれくらいにしてあげます!」
平「ずびばぜんでぢだ・・・・木手様・・・・・」
この件以来俺とサワーはなんとなく気まずくなってしまった。もうすぐ卒業式だと言うのに・・・
何もきっかけがないまま時間は過ぎてく・・・
このまま何も出来ないまま終わるのか?
卒業式・・・・・
俺は悲しくも何もない・・・
ただ終わってしまう・・サワーと離れてしまうそればかりが頭から離れなかった。
「「木手君〜!」」
次から次に女に囲まれ俺の制服からボタンがなくなっていった・・・。
最後には教科書まで欲しいと言われる始末。
俺はサワーの姿を探した・・・。
ドコにもいない・・・
帰ってしまったようですね・・・・・・
脱力感に襲われ屋上へと向かう、重い扉の向こうに探した後姿を見つける・・・。
探しましたよ・・・・・サワー・・・・
サワー「木手・・・・・」
永「ココにいたんですか・・・・」
サワー「すごい制服・・・袖までボタンないし・・・」
永「そうですね・・・」
何から話していいか分からない・・・・
沈黙を破ったのはサワー・・・・
サワー「終わっちゃったね〜!」
永「ええ!」
サワー「・・・・・・・」
急にサワーの瞳から大粒の涙が落ちた。
慌ててハンカチで頬をなでる・・・・
永「どうしたんです急に・・・・」
サワー「急に寂しくなっちゃって・・」
永「・・・・・・」
潤んだ瞳と目が合う・・・・・・
これが最後のチャンスですね・・・・
永「ゴーヤー・・・・・この前の続きをさせてもらえませんか」
サワーの返事を待たずに抱き寄せた。
サワー「続き?」
永「ええ!赤也を忘れさせると言ったでしょう?」
サワー「え?・・・・・」
永「忘れたいんでしょう?」
サワー「・・・・・・・」
永「冗談で言ってるわけではありません。俺を見なさいと言ってるんです!」
サワー「・・・・・・・」
永「嫌なんて言わせませんよ!」
サワー「木手は・・・・ホントにあたしなんかでいいの?」
永「だからそう言ってるでしょう?」
サワー「・・・・」
サワーは何かを気にしているようだ・・・・
はあ〜〜〜〜〜
分かりましたよ・・・
永「ボタン欲しかったんですか?」
サワー「・・・・・・・」
永「ボタンなんていらないでしょう俺がいるんだから・・・・」
サワーの髪を撫でる・・・・
何も言わないサワー・・・・
女の子は、そんなにボタンが欲しいものなんですか・・・・・
永「じゃぁこれをあげますよ!」
俺は学ランを脱ぎサワーに掛けた・・・・
サワー「いいの?」
やっとサワーが笑った。
永「俺にもくれますか?」
サワー「何を?」
永「キミのこれからの時間全てです」
返事なんて聞かなくてもいいでしょう?
強く抱き寄せキスを落とす・・・・
やっとサワーに触れる事が出来た・・・。
軟らかい感触・・・
何度も・・・・
サワーを求めた・・・・・
サワー視点
あの日以来恥ずかしくて木手と話せない。目は木手を追いかけてばかりいるのに・・・・。
このまま卒業していいのかな・・・・
高校は別々・・・・
このまま会えなくなってしまう・・・・
自分の頭の悪さに今さら後悔・・・・
もっと勉強しておけば木手と同じ高校行けたのに・・・・・
あたしのバカ!!!!!!!!!!!!!
赤也の事なんてすっかり忘れてた・・・。
卒業式を前日に控えた夜、携帯が鳴った。
サワー「もしもし?」
「俺・・・・」
サワー「誰?」
「なっ!もう忘れたんスか?俺の声・・・」
すっかり忘れて誰なんて言ってしまった。あんなに好きだった赤也・・・・・
サワー「赤也・・・・・」
「俺・・・・反省してる・・・・ゴメン・・・・」
心は動かなかった・・・・好きだった・・・すごくすごく・・・愛してた・・・・・でももうあたしにとっては思い出?過去・・・
サワー「そう・・・・・」
「だから・・・・もう一回・・・・」
サワー「ムリ!」
即答・・・・!
「ハヤッ!まじで言ってんの?」
サワー「うん!ムリ!」
「もっと考えてくれないのかよ!」
サワー「赤也が疲れたって言ったんじゃない!もうムリ・・・」
近くにいる人を好きになったらもう遠くの見えない人を思うなんてムリ・・・・
「俺の事嫌い?」
サワー「・・・・・・・」
「はっきり言えよ!」
サワー「ゴメン・・・・」
「分かった・・・・」
あの瞳を味わったら他のものなんて見えなくなる・・・・
あたしのココロに迷いはない・・・・
明日・・・・・
木手に・・・・・
卒業式・・・・・
あたしは大泣き・・・・歌も歌えなくなるくらい泣いた。
厳かに終わった式・・・。
後は木手の姿を探す。
教室。
テニスコート。
どこにもいない・・・・。
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