木手永四郎専用部屋(短編)
瑞樹様リク「学園祭二人の王子様」 2007/06/15↑(前編)編集8/23
学園祭が近づいている。クラス毎に何かやるのが毎年恒例!
うちのクラスは劇・・・・
めんどくさそうだな〜
HR
委員「それでは演目を決めたいと思います!何かありませんか?」
ザワザワ・・・・
「しらゆきひめ〜」
「ももたろ〜」
「シンデレラ〜」
みんな適当に発言!
演じるのは他人事!
「もっと面白いやつにしよ〜」
誰かが言い出す。
「え〜〜〜〜なんかある?」
ホントにやる気のないクラスだ・・・・
他に面白い話など思いつくもなく・・・・
グダグダと時間ばかりが過ぎた。
痺れを切らしたのか木手が口を開いた。
永「いつまでたっても決まりませんね〜!もうシンデレラでいいじゃないですか。」
ため息混じりに周りを見回す!
殺し屋の提案に早く帰りたいみんなは賛成した。
委員「ではキャストを決め係りを振り分けましょう!まずは姫と王子!立候補いますか?」
「わん!やりたいさ〜」
(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
クラスでも人気者の平古場凛!まさに王子様!
委員「他にいない用なら平古場凛君で決定します!」
凛「あい!しんけんいいのかよ!」
委員「ではお姫様を!誰かいますか?」
シーン
面倒くさいみんなやらないに決まってる!
あたしだってやりたくないもの!!!!
委員「誰もいませんか?それでは平古場君誰か指名してください!」
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!
女子は俯いた。
凛「じゃぁ!ゴーヤーがいいやっし〜!!!!」
(゜Д゜) ハア??
あたし・・・????
無理!無理無理!
サワー「やだよ〜!」
委員「拒否権はありません!ゴーヤーさんで決定します!」
なんて横暴なクラス委員だ・・・・・
委員「それでは」
永「ゴーヤーさんが姫なら俺も王子様やりたいですね〜」
オイオイ!何を言い出すんだ木手!!!!!!
凛「あい!永四郎もか?でもわんもやりたいやっし〜!」
委員「では王子様二人にしましょう!」
オイオイ!それじゃあ成立しないだろうが〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
永「決まりですね!」
こうして王子様二人のシンデレラをやる事になってしまった。
本当に大丈夫なの?
やりたくないな〜
その後は平古場と木手とあたしの指名で次々とキャストを決めた。
もちろん強制!
こうでもしないと決まらない!
小道具などの係りも決まり数人の女子が台本を書くことに。
なんか不安・・・・
数日後お話か上がってきた・・・・
これ・・・シンデレラ?って内容・・・・
まぁ王子様2人って所から間違ってるしね・・・
セリフを覚える傍らでダンスの練習・・・
踊った事のない3人はパニック!
凛「むりやっし〜!」
ゴーヤー「あたしも・・・」
永「やらないと仕方ないでしょう・・・」
先生と4人でステップの練習!
あたしは木手と・・・
ぎこちないあたし・・・
密着しすぎたよ・・・
一応年頃の女なんですけど・・・・
ぎゅ!!!!
ゴーヤー「ゴメン!」
木手の足を踏んでしまった・・・・
永「ククククッ構いませんよ!」
木手も笑うんだ・・・
思わず見とれてしまった。あまりに綺麗な顔で笑うから・・・深い瞳・・・分厚い胸板・・・ 尖った唇・・・
永「俺の顔に何か?」
ゴーヤー「./////
いえ!なんでもない・・・」
じゃぁもう一度と言って差し出された大きな左手・・・・
意識し始めたらその手を取るのも躊躇った。
引き寄せられすっぽりと木手の胸に収まる。
永「ゴーヤーさんは本当に華奢ですね!壊してしまいそうです。」
上から降ってくる甘い言葉に心が乱れる。
永「イイコですね。上手に出来ました。」
もう爆発しそうだよ・・・・・
凛「永四郎ばっかりゴーヤーさんとずるいやっし〜!わんも〜!」
永「チッ!」
舌打ち!!Σ(゜ロ゜〃)
凛「永四郎!こ・う・た・い!!!」
強引に平古場があたしの手を引いた。
平古場に足を踏まれまくりで足には痣が・・・
凛「ゴーヤーさんゴメン・・・わん頑張るさ〜本当に大丈夫なんば?」
ゴーヤー「大丈夫だよ!気にしないで!」
しばらく床に座り木手を先生のダンスを眺める。
木手は完璧に足を運ぶ。
優雅に、本物の王子様みたい・・・・。
先生の手を握り、先生の腰に手を回し、時に絡み合う視線・・・・。
o(´^`)o ウー胸が痛い・・・・
ヤバイあたし何一人で切なくなってるのよ・・・・
泣きそう・・・
みるみる目の前が歪んでいく・・・。
凛「わわわわわ!!!ゴーヤーやっぱり痛いいんばぁ?ゴメン!泣くな!悪かったさ〜!」
慌てふためく平古場・・・
ぎゅ!!!ふわり・・・
不意に抱き上げられた。
凛「保健室行くあんに!!」
抵抗する暇もない・・・
木手の前で他の男に抱き上げられるなんて・・・・・
益々潤んでいく・・・
保健室・・・・
凛「まだ痛む?」
ゴーヤー「大丈夫!」
凛「ごめん」
ゴーヤー「ホントにもう大丈夫だから・・・」
心配そうにあたしの足に氷を当てる・・・
凛「ゴーヤー・・・」
ゴーヤー「なに?」
凛「や〜は今好きなやついるんば?」
ゴーヤー「え?」
凛「・・・・いるよな・・・・」
ゴーヤー「・・・・」
凛「わん・・・や〜が好きさ〜だからお姫様になって欲しかったんば〜よ・・・」
そっそうなんだ・・・・
(・_・o)ン? (o・_・)ン? (o・_・o)ン?
(・_・o)ン? (o・_・)ン? (o・_・o)ン?(・_・o)ン? (o・_・)ン? (o・_・o)ン?(・_・o)ン? (o・_・)ン? (o・_・o)ンんんん?n(n・n_n・non)nンn?n n(non・n_n・n)nンn?n n(non・n_n・non)ン?んんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!
なんですと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
平古場があたしを?
あたしを好き?
嘘でしょ?
あたしは・・・・・
木手が好き・・・・・
なんて言えない・・・
言ったらきっと平古場は木手に会いたくなくなる・・・・・
凛「いいさ〜他に好きな人がいても・・・振り向かせるさ〜!」
ニッコリと笑う平古場・・・・
かわいい!!!!!
ゴーヤー「ゴメン・・・」
凛「あい!誤るな!もう降られたみたいやっし!わんの事も少しは見てくれ!」
ゴーヤー「う・・うん・・・・」
ガラッ!!!!!
永「いつまで休憩してるんですか?」
凛「すぐ戻るやっし!」
こうして何週間も練習は続いた。
セリフの方もなかなかいい感じ!
ただシンデレラなのにキスシーンがあるんですけど・・・・
一週間もシンデレラはお城に通うんですけど・・・・
なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
今日は舞台での本格的な動きを始める・・・
一幕づつこなして行く・・・・。
ダンスも無難に・・・
平古場は相変わらずだけど・・・
クライマックスの木手とのキスシーン・・・
すん止めとは言え心臓が爆発しそう・・・。
永「ゴーヤーさん顔が赤いですよ!」
ゴーヤー「からかわないでよ・・・」
永「ククククッ」
ゴーヤー「も〜〜〜〜木手の馬鹿!」
永「本番が楽しみですね!」
意味ありげな笑い・・・
そんな様子を平古場は不機嫌そうに眺めていた。
放課後衣装が仕上がり試着。
保護者の協力もありなかなか本格的な衣装。
あたしは一人舞台に立ってみた。
上手くやれるかな・・・・
ガラッ!!
体育館のドアが開くと凛々しい木手の姿。
ゆっくりと近づいてくる。
永「美しいお姫様お手をどうぞ!」
舞台下から差し出された左手。
絵本から抜け出してきたような王子様。
頭がクラクラするほどのオーラ・・・・
左手を重ねると舞台下にふわりとエスコート・・・・
誰もいない体育館・・・
木手にリードされるまま舞う・・・
心臓はドキドキしっぱなし・・・
目が合うたびに乱される・・・・
永「ゴーヤーさん上手くなりましたね。」
ゴーヤー「うん・・・・」
永「とても似合ってますよ!」
ゴーヤー「ぁりがと・・・・」
嬉しくて舞い上がりそう・・・・。
永「台本の最後変わったの知ってますか?」
ゴーヤー「え?聞いてないけど・・・」
永「最後はキミが選ぶんです。平古場君か俺のどちらかを。クライマックスは誰も知らない。キミ以外はね・・・。」
ゴーヤー「え?え?ええええええ!!!」
ドコまでいい加減な脚本・・・・
ガラッ!!!!
凛「永四郎!!!!また抜け駆けかよ!ずるいやっし!」
永「平古場君が遅いんでしょ?」
膨れる平古場・・・・
平古場もすごく似合ってる!金髪の王子様!
凛「ゴーヤー似合う?わん王子様みたい?」
ゴーヤー「うん!カッコイイよ!」
凛「永四郎とどっちが似合う?」
困った事聞くなよ・・・
ゴーヤー「どっちもかっこいいよ!」
凛「どっちか決めるあんに〜〜〜〜!!!」
ゴーヤー「だからどっちも似合ってるって!決められないよ〜!」
永「平古場君・・・・我が儘言わない!俺の方が似合ってるに決まってるでしょう?」
凛「そんな事ないやっし〜〜〜〜〜!!!」
ゴーヤー「まぁまぁ・・・・・」
その日の帰り道3人で帰ることに。
台本を手にセリフを合わせながら。
ゴーヤー「頑張んなきゃね〜」
凛「あい!わんまた足踏むかも!」
永「平古場君しっかりしなさいよ〜!」
ゴーヤー「大丈夫!あたしがリードするよ〜!」
凛「頼むさ〜!」
永「王子様がリードされるなんてククククッ!」
凛「・・・・・」
むくれる平古場・・・この二人仲悪い?
永「じゃぁ俺はココで!」
ゴーヤー「明日ね〜!」
凛「じゃ〜や〜!」
トボトボ平古場と歩く。
凛「なぁ・・ゴーヤー・・・・」
ゴーヤー「なに?」
凛「まだわんの事好きじゃないんば?」
ゴーヤー「・・・・」
凛「わんじゃダメなんば?」
ゴーヤー「・・・・」
凛「学園祭終わったら返事くれるあんに?」
ゴーヤー「・・・うん・・・」
凛「わかったさ〜・・・」
家に帰って宿題を始める。
でも頭の中は木手の事ばかり・・・・
いよいよ殺し屋にやられたようだ・・・
さっきまで一緒にいたのにもう会いたい・・・
声だけでもいい聞きたい・・・・
携帯を手に取る・・・
かける勇気なんてないのに・・・
でもどうしても・・・聞きたい・・・
ピッ!
1コール・・・・
2コール・・・・
3コール・・・・・
「はい!」
えっ!女の人?
ゴーヤー「あっ!あの・・・・」
女「永四郎ならあたしの隣で寝てるけど?あんた誰?」
ゴーヤー「すみませんクラスメイトのゴーヤーと言います。今度の劇の事で・・・」
口から出まかせ・・・
頭はパニック・・・
きっと彼女だ・・・
女「起きたらかけさせるから・・・」
ピッ!!
プープープー
切られた電話涙が止まらなくて女の声が耳に張り付いてはなれない・・・・(永四郎ならあたしの隣で寝てるけど?あんた誰?)
どこかで期待してた・・・
(ゴーヤーさんが姫なら俺も王子様やりたいですね〜)あの時の言葉に期待してた・・・
もしかしたらあたしを好きでいてくれてるかも・・・・
そんな淡い期待・・・
脆くも崩れ去った。
朝まで泣いた・・・・
自分が情けなくて・・・
木手からの電話はなかった。
次の日から木手の顔を見るのも辛くて平古場とばかり話した。
木手は何か言いたげにしながらも何も言わなかった。
気まずいまま本番を迎えた。
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