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木手永四郎専用部屋(短編)
独り。 7/21↑



あの日に戻れたら、どんなに良いかと未だに思ってしまう。
今はもう届かない、どんなにキミを思っても伝えられない。






最後の日は冷たい雨だった、仕事に追われキミを蔑ろにしていた…

「寂しい。」

その言葉を重いと思っていたのは事実で、キミがご飯を作って眠らずに俺を待っている事を知っておきながら帰らない日もあった。

心の何処かでキミは絶対に離れていかないと思い込んでいた…


俺以外愛せるはずがないと……







帰り着いた部屋はいつもと変わらずラップのかかったご飯がテーブルに並んでいた…
違うのはキミがいない事だけ

寝室もいつもと変わらない…






気が付かなかっただけだと今は解る…



キミはほんの僅かな荷物だけを持って俺から離れた。


次の日もキミは帰らない、その次の日も…
キミの姿が消えて3日目の夜初めてキミの携帯をコールさせた。

何度掛けてもキミの声を聞くことは出来ず留守電にメッセージをいれた。


『サワー、何処にいるんです?早く電話に出なさいよ。』


戻って来て欲しいと言えたら少しは何か変わっていただろうかと後悔した。


一人になって数日、日に日に後悔は募っていく、キミの匂いの残る枕に顔を埋めて苦しい胸の痛みに顔を歪めた。


『サワーっ…』


散らかっていく部屋、コンビニの弁当にも飽きた…
今更、サワーがどんなに俺に尽くしてくれたか思い知った

笑ったキミの顔が忘れられない…



繋がらない携帯にもう何度掛けただろう、キミが離れていった現実を知るまでどれくらいかかっただろう………





いつかどこかで偶然会えるんじゃないかと今でも心の奥で思っています。





キミが出て行ったあの日からもう7年、まだ部屋はあの日のまま…


もう一度俺の名前を呼んでくれませんか?



サワー、今もキミを思っています。

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あきゅろす。
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