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木手永四郎専用部屋(短編)
学校が終わったら・・・・・・  2007/09/16↑(後編)編集8/23
「あっ!!わるかったさ〜!わんの事覚えてないですよね・・・一回しかあってないやっし・・・永四郎の事覚えてるさ〜?や〜学校でわんに永四郎のタオル押し付けたんど〜〜?」


「あっ!!!!!金髪の!!!!!!」


「よかったさ〜〜〜〜!!!覚えててくれて!!!」

「よくあたしって分かったね・・・・」

「や〜みたいなちゅらさん忘れないさ〜!っ言うかや〜がいなくなってから永四郎大変だったさ〜。」


「・・・・・そう・・・・」


平古場凛君・・・・購買で会った木手の友人。
今は国際線のパイロット・・・・
あたしの腕を強引に掴み近くのレストランに入るとニヤニヤしながら携帯を取り出した。

なにやらメールを打つ・・・・・






「これでよし!!!!」






「ゴーヤーさんしばらくわんに付き合ってほしいんば〜よ!」

この後の予定はないし・・・・


「うん・・・・」


「よかった・・・・何で中国なんば?」

「え??」

「さっきわんの飛行機に乗ってたさ〜」

「・・・・・・そっか・・・旦那の転勤で中国に行ってたの・・・」


その後は他愛もない話を延々語る・・・ホントに何でもない話・・・
平古場君はニコニコ笑ってあたしの話を聞いてくれた。






「ゴーヤーさん・・・・」

急に平古場君の顔色が変わった・・・
何か気に触る事でも言ってしまっただろうか・・・?
話し始めて一時間が過ぎていた・・・・。










「ん????」


「永四郎はいいやつさ〜。もう子供じゃないやっし・・・・や〜一人幸せに出来る男になってるさ〜」


「え?何言ってんの・・・・・?」








平古場君の指が・・・・・・











ゆっくりと・・・・・・・・・















後ろを指差した・・・・・・・














そこにはパイロットの制服に身を包んだ木手の姿。

「平古場君・・・このお礼は後日・・・・」

「へいへい!!!ちばり〜よ〜」










あたしは木手の姿にただ驚き手が震えた・・・・















ぎゅっ・・・・・・・・・・









「会いたかった・・・・・ゴーヤーさん・・・・」









こんな事って・・・・・・









あるんだ・・・・・・・









「もう会えないかと思ってました・・・・・」








体が軋むくらいきつく抱きしめられたまま・・・・・
8年越しの思いがあふれ出した・・・・






ふっと木手の腕が緩むとあたしの手を引いてレストランを出る・・・・
付いたのは空港に隣接するホテルの一室・・・・。



開かれた扉に少し戸惑った・・・・・




「ゆっくり話がしたいんです・・・・」
木手の言葉に頷き部屋に入った・・・・。

ソファーに座りこれまでの事を少しずつ話した。






優しい瞳は8年前と変わらず深い色であたしを見ていた。
「ゴーヤーさん・・・俺はこの8年人並みに恋愛もしてきたつもりです、でも俺の理想はキミだけなんです。他の人と付き合うたびに思い知らされる・・・」




すごく嬉しかった・・・こんなにもあたしの事を思っていてくれた木手の言葉・・・・
でもあたしと木手はお互いの事何も知らない・・・・
一緒にいた時間なんてほんの数時間・・・
その数時間がこの8年で美化されたに過ぎない・・・

「木手君・・・・あたし達お互い何も知らないじゃない?数時間が美化されただけだよ・・・あたしそんなにいい女じゃないよ・・・・・」

「確かにそうかも知れませんね・・・・・」




二人の間に沈黙が流れた・・・。
あまりにも離れすぎた時間・・・・
もう取り戻せない・・・・・・








「ゴーヤーさん・・・・・あの時俺が引き止めていたら中国に行かないでくれましたか?」


「・・・・・行ったと思う・・・・」

「俺が高校生だったからですか・・・?」

「それもあるけど・・・あたし自身が何もかも捨てられなかったと思うから・・・」









木手の暖かい左手があたしの手を包む・・・。
綺麗な手・・・・・・




「今ならどうですか・・・・・?俺はこのままキミを中国に帰すつもりはありません・・・俺の思いが美化されたものか確かめたいのでね・・・・」





「・・・・・・・・」



「何もかも捨ててくれませんか?俺はもう子供ではありません・・・全て受け止めて見せます。サワーさん・・・・俺の傍に・・・・・いてくれませんか?」

自信に満ちた瞳があたしの心を熱くする・・・・








「・・・・・・・・・・」





何もかも捨てる・・・・・・
捨てる・・・・・?









あたしが捨てるもの・・・・・・・











この8年あたしは中国でずっと自立するために色々な資格を取り一人でも生活出来るほどの技術も身につけた。







今回の帰国は一人で生きていく自身がついたから・・・・・・







何も捨てるものなどない・・・・・・









「木手君・・・・あたし離婚したの・・・・だから捨てるものはもう何もないわ・・・・」






「じゃぁ・・・俺は誰にも遠慮しなくていいんですね・・・・・」






頷くと同時に木手はあたしを抱きしめた。
もう何の障害もない。
誰にも邪魔されない・・・
8年も過ぎてしまったけど・・・・
また会えた事を運命だと思いたい・・・
たとえ思いが美化されたものでも・・・
これから本当の姿に塗り替えればいい・・・
本当の全てを愛せばいい・・・









何もかも上手くいく日が必ず来る・・・・・
















「美化どころかそれ以上ですよ・・・・・サワー・・・・・」

















おしまい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんか木手の出番少なすぎ・・・・・
何が書きたかったのか不明・・・・


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