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木手永四郎専用部屋(短編)
朱様リク「全部消してあげますよ・・・」 2007/09/19↑(中編)編集8/23




ピンポーン♪
誰こんな時間に・・・・・・







ドンドン!!!


凛「サワー〜〜〜〜」

「凛・・・・・?」








カチャッ・・・







ギュウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ドアを開けると凛はいきなり抱きついてきた・・・





凛「サワー・・・ゴメン・・・」

「・・・・・・・・・」

凛「怒ってるんば・・・・・?」

「・・・・・・・・」

凛「機嫌治せって・・・・」


「・・・・・・・・・・」

黙るあたしに凛は無理やり口付けた・・・・
何度も繰り返す行為がこんなにもイヤだった事はない・・・・

もつれ込むようにベッドに体を横たえると、凛は荒々しく首筋に跡を残した・・・・




イヤなのに拒めない凛に慣れてしまった体・・・・
受け入れてしまう自分が情けなかった・・・。




















凛「サワー・・・・わんの事嫌いになったんば?」

凛の突然の言葉にあたしは何も答えられなかった。
最初から好きなわけじゃない・・・
そう言えなかった。
確かに凛との時間を楽しんでいた・・。
でもそれは擬似恋愛をしていたようなものだった。
その場の時間だけを楽しんでいるに過ぎなかった。
ずっと傍にいたいとか、彼女と別れてあたしだけを見て欲しいとか思ったことは一度もない・・・。

凛「サワー・・・・?」



「今日は帰って・・・・・」


凛「なんだよそれ・・・・」

黙ったままのあたしにブツブツ文句を言いながら凛は服を羽織ると帰って行った。

あたしはベッドに転がったまま自分はどうしたいのか分からずただ呆然と天井を眺めた・・・

こうしている間も頭をよぎるのは永四郎さんとエレベーターで過ごした時間の事・・・
今何してるんだろう・・・
あたしが凛とこんな関係だと知ったら永四郎さんはどう思うんだろうか・・・
きっと軽蔑するに違いない・・・・

もう会えない人を思う・・・・・









体を起し冷蔵庫を開けると何も入ってない・・・

近くのコンビニに向かうため服を羽織りスリッパのまま外へ出た・・・。








コンビニまで数分・・・・
トボトボと歩く・・・・・
コンビニのドアを開け飲み物を数点・・・
おにぎりを一つ持ってレジに付いた・・・





コンビニのドアが開く・・・・・
そこには永四郎さんの姿・・・・・

「あっ・・・・」

目が合うとニッコリと近づいてくる・・・・

永「こんな時間に一人ですか??」

「はい・・・」
ヤバイすっぴんにスリッパ・・・・・恥ずかしい・・・・・

永四郎さんはタバコを2個頼むとあたしの分の会計も済ませた。

「有難う御座います!すみません!!」

永「そんなに気にしないでもいいですよ?俺がしたくてしてるんですから!」


店の外に出ると助手席のドアを開けた・・・
永「送りますよ?」

「いえ!すぐ近くですから!!」

永「こんな時間に女の子が一人で歩くものではありません!危ないでしょう?」

「あ・・・はい・・・」

永「どうぞ・・・・」

「じゃぁお言葉に甘えて・・・お願いします・・・」


エンジンをかけた永四郎さんはギアを入れながら低い声であたしに問う・・・

永「明日・・・お仕事ですか?」

「はい・・・」

永「そうですか・・・・お仕事が終わったら食事に行きませんか?」

「え??」

永「ダメですか?」

「ダメじゃないです・・・・」


永「よかった・・・断られたらどうしようかと思いましたよ・・・」


「永四郎さんも断られる事があるんですか?」

永「ええ・・・ありますよ・・・・」

「ええええええ!!!」

永「そんなに驚かなくてもいいでしょう?」

「だって・・・・・」

永「だって・・?なんです??」

「何でもないです・・・・」


ココで家の前に着いてしまった・・・・。
もっと一緒にいたい・・・・・









「お茶でも飲んで行きませんか・・・?」
とっさにこんな事言ってしまうなんて・・・・


永「・・・やめておきましょう!送り狼になってしまいそうなのでね!楽しみはとっておくものです?」


「あははは・・・・」
玉砕・・・・・Σ(T▽T;) ぐわわぁぁ〜ん!

永「携帯を聞いてもいいですか?」

「あっ・・・はい・・・」


アドレスを交換するとじゃぁ明日・・・と手を振った。









明日永四郎さんと・・・・・・食事・・・・・・
そう思うとさっきまでの凛の事は忘れて慌てて顔にパックを貼り付けた。
ネイルを付け直し、髪にパックも施した・・・
鼻歌交じりに腕と足の脱毛にボディトリートメント・・・・
あたし浮かれてるな・・・・・




ふと・・・鏡を見る・・・・・



一気に現実に引き戻される・・・・
首筋にはくっきりと隠せない凛の跡・・・・・
とても明日には消えそうにない・・・・
でも断ったらきっともう永四郎さんとは会えない・・・
永四郎さんの事を思うと胸が苦しくなる・・・







もう凛とは終わりにしよう・・・・
ホントにもう終わりにしよう・・・・


















次の日あたしはなかなか仕事が手に着かなかった。
昼休みに携帯を見るとメールが二件・・・







From 凛
Sub
ーーーーーーーー
昨日はゴメン・・・
今日会える?






ーーーーーーーー









ε-(ーдー)ハァ








From永四郎さん
Sub こんにちは。
ーーーーーーーーーー
何時頃に終わりますか

楽しみにしていますね






木手
ーーーーーーーーーー







永四郎さんって苗字木手なんだ・・・・・
あっ・・・・凛どうしよう・・・・
あたしが永四郎さんといる事知ったら・・・・







TO 凛
Sub
ーーーーーーーー
今日は無理。
明日も無理。
明後日も・・・・
もう凛とは会わない。
彼女となかよくね。


ーーーーーーーーー



ピッ・・・・送信・・・・・・









もう凛とは終わりにする・・・
もう迷わない・・・・












夕方まで凛からのメールがずっと入ってきていたけどあたしは全部読まずに消した。





夕方になっても仕事が終わらない・・・・
連絡しないと・・・・
あたしはトイレに行き携帯を開いた。






TO永四郎さん
Sub
ーーーーーーーーー
すみません残業で
もう少し掛かります。
もしお腹空いてたら
先に食べてください
ね!



ーーーーーーーーー




・・・・・送信・・・・・・・








すぐに携帯が鳴った・・・・








From 永四郎
Sub お疲れ様。
ーーーーーーーーー
遅くなっても構いま
せんよ。
待ってます!


木手
ーーーーーーーーー







優しいな・・・・凛なら・・・・

















凛の事考えるの止めよう・・・・・
凛と比べるのも止めよう・・・・・・




















仕事が終わったのは10時を過ぎていた・・・。
せっかくパックもしてネイルも付け替えたのに。
今日はもう会えないな・・・・









TO 永四郎さん
Sub
ーーーーーーーーー
すみません。
今終わりました。
せっかく誘って頂い
たのに、ごめんなさ
いm(。_。;))m





ーーーーーーーーー





・・・・送信・・・・・・・








♪〜〜〜〜〜









From 凛
Sub
ーーーーーーー
サワー・・
・・
会いたいんば〜
よ・・・・
返事して・・・





ーーーーーーーー









凛の馬鹿・・・・・そんなのは彼女に言う台詞でしょ?
あたしはただの都合のいい女なんでしょ・・・?











From 永四郎
Sub
ーーーーーーーー
今からでも会えま
せんか?






木手
ーーーーーーーー









あたしは永四郎さんに会社の住所を送った。
10分ほど待つと永四郎さんの車が来た。








永「お疲れ様。」

「お待たせしてしまってすみません・・・」

永「構いませんよ!」

時計を気にするとそのまま一軒のお店に着いた。
小さなレストラン・・・・・







ドアを開けると誰もいないお店・・・
店員さんに案内されソファーに座る。


永「何を飲みますか?」

「じゃぁ・・・お茶を・・・」

永「お茶ですか・・・」
ヤバイそんな店じゃなかったか・・・・

「すみません・・・・」

永「いえ!いいんですよ!お酒は苦手ですか?」

「あっ・・・飲めます・・・」


永「じゃぁ俺に任せてもらえますか?」

「はい・・・」

なにやら注文している様子・・・・





・・・・・かしこまりました・・・・・









永「ホントにキミは飽きない人ですね。一緒にいるととても楽しいですよ!」

「なんか・・・その・・・すみません・・・」


永「そのままでいてくれると嬉しいんですがね・・・自然なキミを見たいんですよ・・・・だから今日は誰もいないんです・・・いつものキミをもっと見せてくれませんか?」


「//////////」

貸切・・・・・・
この人っていったい何者なの・・・・・????







「永四郎さんはどんな仕事してるんですか?」


永「そうですね・・・普通の会社員ですよ?」


「え???でも・・・」


永「気になりますか?」


「はい・・・」



永「一応・・・代理で代表取締役とでも言っておきましょうか?」

「社長さんなんですか・・??」


永「オヤジの会社なんです。」

「そうなんですか・・・・」


永「たいした仕事ではありませんよ!」





・・・・お待たせいたしました・・・・・









綺麗なブルーのカクテル・・・・

一口飲むと甘くて優しい味・・・・・
口の中に広がって舌を包んだ・・・
何杯でも飲めそう・・・・
吸い込まれそうな味・・・
永四郎さんみたいな・・・・・





永「キミの為に作って貰ったんです。気に入ってもらえましたか?」


「はい!!!すごく美味しいです!!」


永「それはよかった。遠慮しないで飲んでくださいね。」


「永四郎さんは飲まないんですか?」

永「飲んでますよ?お茶をね!」

「ずるいです・・・・あたしには飲ませておいて!!」


永「あははh・・・怒った顔もなかなかですよ!」

「永四郎さん!!!」









たまに見せる19歳の顔・・・・・
すごく楽しい・・・・・・・









この後二人で楽しい食事。
デザートまでしっかり頂いて。
満腹!満腹!
さぁ帰ろうと立ち上がるとふらつく足・・・・
カクテル6杯が足に来てます・・・・






永「大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ〜〜〜〜〜!!!!」

永「捕まってください!危ないですから!」

「はぁ〜〜〜〜〜〜い」

すっかりいい気分で腕に捕まる。
駐車場まで永四郎さんの腕にもたれて歩く。
ゆっくりとあたしの歩幅にあわせて・・・
この腕に触れると急に力が抜ける・・・
心地いい雰囲気があたしを包む・・・
駐車場まで来るとドアを開きあたしの手を取った。
手を引かれそのまま永四郎さんの胸の中に埋もれた・・・・・





ぎゅう〜〜〜〜〜〜〜〜〜








永「また会ってもらえますか・・・・・?」


「うん・・・・・」

しばらく・・・・お互いの感触を覚えるようにだらしなく抱き合った・・・・
永四郎さんの鼓動は力強くあたしの耳に響いた・・。
太い腕が優しくあたしを抱きしめる・・・
ずっと・・・・・








こうしていられたらいいのに・・・・・・・・・
















ハナレタクナイヨ・・・・・・・・・・・



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