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木手永四郎専用部屋(短編)
2007/10/13↑
どんなに会いたくても、寂しくても会えない。
どんなに思っても本当に伝わっているのかわかんないよ・・・・



遠距離って辛い・・・・。





毎日メールして電話もして幸せなはずなのに、近くにいられない寂しさを埋めることは出来ない。






次に触れられるのはいつ?
焼き付けたい・・・・
永四郎が本当にこの世に存在していると。
あたしだけを見て・・・
愛しているのは永四郎だけだと伝えたい。
ちゃんと永四郎の目を見て伝えたい・・・



もっとあたしに触って。
離れていた分抱きしめて欲しい・・・
何度もあたしを呼んで・・・
他人の視線なんて気にしなくてもいいから。
嘘でも良いからずっと傍にいると言って・・・・
嘘じゃないと信じるから。
あたしは永四郎を疑ったりしない。
あたしは永四郎を裏切ったりしない・・・・





永四郎が眠ってしまった後寂しさが襲ってくる。
鳴らない携帯を握り締めて朝が来る。
何もかも捨てて永四郎の元に行けたら良いのに・・・
あたしの心許せる場所・・・
こんなにも好きになるなんて。






遠い遠い沖縄・・・・・・・











会える前の日は必ず眠れない無事に着く事だけを願って。嬉しさを隠し切れない顔・・・
駅で待つ時間も心臓が爆発しそうで、携帯ばかりを気にして・・・・・・








永「サワー」
ニッコリと微笑む顔を見ることも出来ない。
ホントは今すぐにでも抱きしめて欲しいのに・・・
繋ぐ手が震えて、歩くのもままならない。
会いたかったと伝えたいのに、上手く表現出来ない。




永「サワー?聞いてますか?」
聞いてます・・・・低い声が耳の奥まで届いてます。
でも上手く答えられないんだよ。
頷くしか出来ない・・・・
優しく揺れる手が髪を撫でるだけでもヤバイ・・・




永「どこか二人になれる所に行きましょうか?」
言わなくても分かってくれる優しさが、泣きそうなくらい嬉しい・・・ 短い二人の時間・・・・また離れる時間を気にしてる自分が情けない・・・・
情けないくらい好き。








個室のドアが閉まりきらないうちに抱きしめられて我慢してた思いが溢れ出す。
永「寂しかったですか?」

耳元で囁く声が涙腺を緩める。

永「サワー・・・そんなに泣かないでくれますか?」
見上げる顔は少し困ってて、でも優しくて雫をふき取る指が永四郎の存在を実感させる。


永「会いたかったですよ・・・サワー」
ゆっくりと近づくアンダーフレームに目を閉じる。
軟らかい感触・・・・懐かしい温もり・・・入り口に着いた小さなガラスの死角で何度も重ねる唇。
体温が上がるのを感じながら何度も重ねる・・・
混ざり合う吐息に脳まで犯されて、下唇をなぞる舌にクラクラする。 背中を撫でる大きな手にゾクゾクさせられて、息をするのも忘れそう・・・・








会えなかった時間を埋める。
心まで満たして・・・・
また会えなくなる時間を越えられる様に。
不安にならないように永四郎の存在を深く、深く刻み付ける。
今のあたし達に出来る事はこれだけ・・・・
ずっと近くにいる事はまだ許されない。
このまま時間が止まってしまえば良いのに。
叶うはずもない事を願ったりして・・・・






永「サワー・・・・愛してますよ。」
なかなか電話では言ってくれない事も今なら言ってくれる。何気ない会話もあたしを溺れさせる。
人からこんなにも愛される事が嬉しいなんて・・・
何もかも独占してしまいたくなる。
永四郎の時間全てを手に入れたくなる。
こんな事言ったらきっと永四郎は困ってしまう。
嫌われたくない・・・いつだっていい女でいたい。
物分りのいい女でいたい。
我が儘をぐっと堪えて永四郎の前では笑うんだ。


永「サワー・・・」
何度も呼んで・・・・
永四郎の中にちゃんとあたしの存在がある事を確かめさせて。 





弱い弱いあたしを包んでくれる存在・・・。
いつか永四郎が本当に困ったとき守れる女になりたい。
傍にいるのがあたしで良かったと思われるように。
離れていたって心だけは傍にいたい。










楽しい時間はなんでこんなに早く過ぎてしまうんだろう。寂しさは何でこんなにすぐ近づいてくるの?
また長い夜を何度も越えていかなきゃならない・・・
遠い貴方を思う・・・・・
もし生まれ変われるなら友達でも良いから近くにいたい。どんな姿でもいいから傍にいたい。
人間って何でこんなに貪欲なんだろう。
どんなに幸せだってもっと幸せを欲しがる。
幸せがなくなってしか過去の幸せを実感できない。
情けない生き物。









END

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あきゅろす。
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