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木手永四郎専用部屋(短編)
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永「サワー・・・俺と付き合ってくれませんか?」







「ヤダ!」











永「サワー・・・俺と付き合ってくれませんか?」







「ヤダ!」









永「サワー・・・気が変わりましたか?」







「変わらない!」











永「サワー・・・?」







「嫌だ!」









こんなやり取りがもう何ヶ月も続いている。
あたしと永四郎は小さい頃からの幼馴染。

家は隣同士、ホントに小さい頃から仲良しだったから、一緒にお風呂入ったり、同じ布団で寝たりして大きくなってきたから、今さら男として見れるわけがない・・・


永四郎はいつも穏やかな顔であたしの答えをいつかYESに変えて見せると言ってた・・・・・・









懲りずにいつも隣にいる永四郎・・・・








永「サワー?」

「なに?」



部活が同じ時間に終わる為当然帰り道も一緒。
また同じ事会話をするもんだと思ってた・・・










永「今日一緒に宿題しませんか?」

「(゜Д゜) ハア??」



小学生の頃はよく一緒に宿題とかしてたけど、もう中学生ですよ?




永「サワーが俺を男として見れないのはよく分かっています。もう無理は言いませんから・・・ねっ?」






「分かった・・・・・」







永「じゃぁ俺の家に着がえたら来なさいよ」

いつもにも増して穏やかな顔だった。

「うん・・・・」







着がえたあたしは鞄を持って永四郎の家を訪ねた。
おじさんやおばさんの姿はない、静まり返った家。







久しぶりの永四郎の部屋は以前とは少し違って見えた。








お互い教科書を開き無言で宿題を解く。


「永四郎・・・ここ教えて?」


永「ここは・・・・・・」


必要な会話以外はしない・・・・
暗黙の了解とでも言うのかな・・・・・







二時間ほどで宿題を終えノートをしまうとあたしはそのままつい昔の癖で床に寝そべった。
部活の疲れもあってそのままウトウトと眠ってしまった。









ふっと目を開けると目の前には比嘉シャツ・・・大きくはだけた制服から小麦色の肌が覗いていた。
いつの間にかベッドで永四郎の腕枕・・・
背中には永四郎の腕・・・・
伝わる心音・・・・・





子供じゃないんだ・・・・・・








いつまでも子供のままでいるわけじゃないんだ・・・・









永「サワー・・・・・」



「・・・・・・・・」



永「このまま、泊まっていきなさいよ。」



「・・・・・・・・」



永「何もしませんよ・・・・」




「・・・・・うん・・・・・・・」






この温もりを他の女に知られたくない・・・
幼馴染だからって決め付けて、ホントに大事な人を失いそうになってた・・・・。
馬鹿だなあたし・・・・









でも今さらなんて言えばいい?








気が変わったの!なんて言えない・・・・・









ねぇ・・・・永四郎・・・・・・









無意識に永四郎の胸に顔を埋めた・・・・・









永「サワー・・・・・」

ゆっくりと背中を撫でる大きな手・・・・・











「永四郎・・・・あのね・・・・・」
















永「・・・・・言わなくても分かります」













「?」














永「サワーの事は何でも分かりますよ。」












「ゴメン・・・・」










永「・・・・構いませんよ・・・・・」



















戻れない階段を登り始めた日。








END

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あきゅろす。
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