木手永四郎専用部屋(短編)
「木手の憂鬱」 3/15↑
大学生活は退屈だった。
沖縄から離れては見たものの、俺は何をしているんでしょうね・・・・
講義中にも関わらずゆんたくしているイナグの声が耳障りでならない・・・
キミ達は何をしにここに来てるんです?
思わずそう言ってしまいそうになる・・・・
窓の外にはいつまで立っても慣れない都会の風景が広がっていて気の休まる暇がない・・・・
唯一俺を癒してくれるのはサワーとの電話だけ・・・
サワーの声を聞いてると幸福なんですよ・・・
何故思いを伝えなかったのか後悔しています・・・
友達でいればずっと傍に居られると思ったなんて・・・
情けないですね・・・・
でもサワーには好きな人が居て、俺が好きだと言っても困らせるだけだ・・・・
奪い取ってしまいたいと何度も思った・・・
でも出来なかった・・・・
本当に愛しているから・・・・・
離れてもこの思いが薄れる事はなくて、一日に何度も携帯を気にしてるなんて・・・・
俺らしくもない・・・・
「永四郎〜〜〜〜〜グスン・・・フラレタ・・・」
電話の向こうで泣く声にどれだけ俺が苛立ったと思います?
抱きしめられないもどかしさ・・・
せっかくのチャンスを逃してしまうとはね・・・
ココへ来るべきではなかった・・・
妥協してでもキミの傍から離れなければ良かった・・・
今すぐ会いたい・・・・
俺だけを見ていなさいよ・・・・
俺はサワーを泣かせたりしない・・・・
大切にするから・・・
嘘でもいい・・・
気休めでもいいから・・・
俺だけを愛してると言いなさいよ・・・・
永「サワー・・・今から会えますか?」
「(゜Д゜) ハア??何言ってんの永四郎・・・・あたし沖縄だよ?」
永「分かってます・・・2時間で空港に着きますから」
「え・・・ゴメン・・心配させすぎだね・・・大丈夫だから・・・ホント平気・・・・」
永「・・・・・会いたいんです・・・・」
「だから大丈夫だって・・・・」
永「会いたいと言ってるでしょう!!」
「えいしろ・・・・?」
永「今から行きますから・・・・」
こんな言い方しか出来ない自分が腹立たしい・・・
今まで一度だって恋人に会いたいなど言った事のない俺が・・・・・・
ここまで心乱されるなんてね・・・・
たいしたイナグですキミは・・・・・・
空港にキミが来ている事を祈ってますよ・・・・・
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