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木手永四郎専用部屋(短編)
熱い視線 2/2↑





どうすればキミは振り向いてくれますか?





どうすればキミは俺の物になってくれますか?









どうすれば…









キミは他の人の物で、手に入れるにはあまりに遠くて、俺がいくらキミを欲しがったって無理な事くらい分かっています。



それでも俺はキミが欲しくて手を伸ばす。


いっその事力ずくでキミを奪ってしまえたら…


出来もしない事を思う自分は小さくて情けない。

キミの視線の先にはいつも決まった人がいる
この現実から逃げられはしない、分かってます… この胸の苦しさから解き放たれたい一心で好きでもない人と付き合ったりしている俺の姿は、キミの目にはどんな風に見えているんでしょうね…

「木手君の彼女って綺麗だよね!」

そんな言葉で笑いかけないでください。

「木手君ってクールだし頭いいし、うちのバカとは大違い!木手君の爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだよ!」

そのバカと入れ替われる位なら、俺がそのバカの爪の垢を煎じて飲みますよ…

苦笑いしながらキミの言葉を受け流して時間だけをやり過ごす。
こんなに近くにいるのに、すぐ傍でキミは笑っているのにキミに触れる事は出来ない。

俺の心はいつだってキミに奪われていて、それを見透かしたように暇つぶしの女は離れていく…
当然と言えばそれまでですがね…


ゴーヤーサワー…俺を狂わせるキミ…
愛しくてたまらない。
一度だけ、一度だけでいいキミに触れたい。

凜「永四郎、ぬ〜がぼんやりして」

永「…」

凜「永四郎?」

永「…はぁ…」

凜「あい、重症やっし…」

永「何か言いましたか?平古場君…」

凜「ぬ〜したんば?永四郎最近おかしいさぁ」

永「…平古場君…手に入れたい物が手に入らないと分かったらキミはどうしますか?」

凜「あい、そんなの諦めるさぁ、雲を欲しがるような話やっし!永四郎らしくないさぁ」

永「雲…ですか…」

凜「…大丈夫か?」

永「欲しくてたまらないんですよ…」

凜「ぬーが?」

永「…いえ、なんでもありません。忘れてください。」

凜「永四郎…もしかしてイナグば?」


平古場君にこんな話をしてしまう程俺はキミに溺れている、何をしていてもキミの事ばかり考えてしまうんです…
好きで、好きで、もう駄目なんですよ。








今日もキミが彼と楽しそうに帰る後ろ姿を見送る… サワー…



俺がどんなにもがいても…



キミは手に入らない…

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