木手永四郎専用部屋(短編)
if・・・ 10/19↑
もし、今君が苦しいのなら俺の所に来て欲しい。
君が俺を好きじゃなくてもいいから・・・
気まぐれでも俺を選んでくれたらどんなにいいか
そんな事ばかり考えている。
俺らしくもない、欲しいものは力ずくで手に入れてきたこの俺が、君にだけは触れる事も出来ない
俺はただ名前も知らない君をいつも見ていた。
君はいつも悲しそうな顔をして空を見上げて夕日が沈むまで堤防に座っているだけ。
毎日、毎日・・・
知らない制服の君に気が付いたのは一週間前、部活の帰りに君を見つけた。
毎日同じ時間、同じ場所。
誰かを待っている様にも見えない
少し離れた場所から俺は君を見ている。
何が君にそんな顔をさせるのか興味が沸いた
声を掛けようかとも思ったが、言葉が思いつかない。
いつもの俺なら『何をしているんです?』そんな言葉で話す事が出来た筈なのに。
近づけない・・・
次の日もまた君は其処にいる。
悲しそうな顔で海を眺めてるだけ・・・
何を思っているんです?
誰かを思っているんですか?
俺の知らない誰かを・・・・
ありもしない事を想像して、君を思う。
何日も何日も君を見つめて、君を思う。
もし、君と言葉を交わす事が出来たら
もし、君と仲良くなれたら
もし、君が笑ってくれたら
もし、君にこの気持ちを伝える事が出来たら
どんなに幸福だろう。
もし、キミに触れる事が出来たら・・・・
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