校外学習5
「はい、続いての芸は…」
秀麗はわくわくしながら身を乗り出す。
「そちらのカップルのお二人に手伝ってもらいましょーか」
わー、こういうショーをカップルで見に来るなんて素敵だわっ。
きっと影月くんの香鈴みたいに幸せいっぱいね☆
そんな気持ちで後ろを見る。
が、
後ろといえば園児ばかりでカップルどころか妙齢な人間すらいりゃしない。
これでお年頃な男二人なら、男色家なのかしらねーとだって思えるのだが………。
秀麗が考え込む様に首をかしげていると隣りから腕を掴まれて立たされた。
「何を惚けているんだ?さっさとこい」
「は?」
「イルカショーで指名受けたかったんだろう?」
「そりゃまぁ…」
「じゃあ良かったじゃないか。カップルに間違えられたことは不本意とは言え、イルカショーに指名されたんだからな」
「えええぇえっっ!!!!??」
「…驚き過ぎだろ」
清雅はちょっと気を害した様に眉を寄せると、往生際が悪く嫌がる秀麗を半ば強制的にステージへ連れて行く。
「やぁあっ!たがいのクラスメイトだっているのよっ!アンタとの変な噂が立ったりしたらどうしてくれんのよっ」
「はっ、お前が嫌がるなら願ったりもないな」
「このサド清雅っ!」
「なんとでも言え。俺はあのイルカに近付けるなら手段など選ばない」
「うわぁぁあん!」
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