[通常モード] [URL送信]

批評想草
人称を定める
 人称には、それぞれ特性があります。

 一人称は、主人公の視点から物語がつむがれます。感情移入がしやすいので、人物の葛藤などを描く時にその力を発揮しますが、別世界を描くには少し不向きです。また、基本的に、他人の出来事や感情を描くことはできません。

 二人称は、主人公がある特定の人物の言動を語り続けるという、たいへん珍しいスタイルのものです。広い世界を描くには不向きですが、恋愛モノや物語の導入部分などに使うと、強い魅力を発揮します。

 三人称は、人間ではない何者かが、物語を語ります。最もスタンダードで簡単な人称だと言われていますが、だからこそ非常に作者のセンスを問われる人称だと私は思います。誰もみたことのない世界を描く場合や様々な人間の人生を細かく描く場合などに、非常に便利です。

 人称の特性を作者の中でハッキリさせないと、その持ち味を出しきれず、そればかりか話を語る上での邪魔になってしまいます。
 人称の特性をよく理解し、描きたい物語に合う人称を決めたら、他の人称を混ぜないように気をつけましょう。

※注意
 自由間接話法などの技がありますが、それに対する批判は一切ありません。というか私は、自由間接話法大好きです(笑)。
 あくまで「人称の特性を混ぜない(ごちゃごちゃに視点を変えてしまったり)」ということです。
 というのも、特性を考えずに自由間接話法などを使うと大変読みづらくなりますし、面白くなくなってしまうのです。人称ついては、バランスが必要なのですがその配分は「作品を書く、読む」してからじゃないと明確には分からないものです。
 とりあえず、特性を知ることが大事かな、と思います。

[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!