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批評想草
第十七作目B
■この作品の問題点

@漫画的
 物語としては、昔の少女マンガをなぞらえたようなベタな展開を選択しており、台詞が多く、括弧による感情の書き込みも多いことから小説とは言いにくい作品になってしまっています。個性というには、凡庸な設定が多いです。
 ここまで書きましたが、漫画的であることはけして悪いことではないと思います。問題は、それを小説的に生かせていないことです。基礎的な文章力をつけた段階で、ようやく光をはなつ手法だと思います。
 この作者様の場合、ライトノベルをお手本にしているようでしたが、ライトノベルだけではなく様々なジャンルの書物を読むべきです。

A人物のモテ方
 少女マンガは、主人公がモテモテになるパターンがとても多いです。この作品の場合も例外ではありませんでした。読者は主人公に投影するもの、主人公がモテモテであることはさほど問題はありません。
 問題となるのは、その魅力です。主人公が魅力なくモテモテである場合は、好ましくありません。何故かというと、魅力ない主人公には読者は惹きつけられないからです。
 心を惹かれない主人公なのに、何故かモテモテ……そんな書き方をされていても、読者は違和感を覚えるだけです。
 主人公だからモテモテだ、という固定観念は捨てるべきです。

B歴史に基づいていない
 過去を題材にするということは、史実を題材にするということです。
 小説としての説得力を得るには、歴史的な背景もきちんと考慮していかなければなりません。そういった配慮も出来ていない作品には必ず「無理」が生じます。結果、リアリティのない、作者の好みだけを入れて作った作品になります。そんなもの、読者には面白くもなんともありません、ただの長ったらしいジョークになってしまいます。
 地球が舞台ならば、ある程度の資料を開くようにしましょう。

C構成が悪い
 何も考えずに作品を作るのも良いですが、構成がなってなければ結局はリアリティの感じられない、とても無残な作品になってしまいます。長編に少し不安があったら、面倒臭がらずきちんとプロットをたてるようにしましょう。

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