絶チル小説
G
智尾が居なくなったとバベルが大騒ぎになっている頃、1隻の船が洋上を進んでいた。
それは、華やかな人々で賑わう客船ではなく、甲板には無機質で巨大なコンテナが並ぶ、貨物船である。
智尾「これで良かったのか……いや、良いことではない…か。」
船の欄干に寄り掛かりながら、智尾はつぶやいた。
「智尾が自ら選んだ」という皆本の予想は、残念ながら当たる結果となった。
智尾がバベルを抜け出した理由は、今までの自らの行いを反省するためであった。
無自覚ではあったが、実はパンドラのスパイだったために現場を混乱させ、その後の戦闘で、特務エスパーとして必須である超能力を失った。
そこから智尾は、最早バベルには…そしてもちろんパンドラにも、在籍する理由が無くなったという考えに至った。
バベルに帰還後、皆本やチルドレンは最後まで智尾を擁護したが、当人はそれを良しと出来なかった。
智尾「これからどうしようかな……。」
しかしバベルを出ていったのは、後先を考えない発作的な家出に近い形だった。
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