[通常モード] [URL送信]

絶チル小説
N
そして皆本は、改めて賢木に礼を言った。



皆本「賢木…この前はありがとう。今度ゆっくり奢らせてくれ。」



心からではない無理な笑顔ではあるが、それが皆本に今できる最大の誠意だった。






賢木「あ…おぉ、奢ってくれんのか?」



それを聞いた賢木の表情は、面食らったように、何故か強張った。

まるで、突然何か物言いされたような、困惑にも似ていた。






そこで、今度は賢木から切り出した。



賢木「別にオレは何もしてねぇけど…タダ飯ならいただくぜ?」

皆本「タダ飯?ただじゃないよ。この前のことだよ。」

賢木「この前…?」






2人の会話の歯車は、微妙に噛み合わない。



皆本は、賢木が意地悪に焦らしているのかと思い、分かるように直言した。






皆本「だってお前、廊下で話をした時に…」

賢木「廊下だって!?」



その言葉の直後、賢木は表情と声色を変え、食い気味に答えた。









賢木「待て皆本。オレはここんところ、富士の施設に居たんだぞ?…ESPの研究だって、今日やっとこっちに戻ったんだ。それで、何でお前と廊下で話せるんだ?」

皆本「え…!?」



思い違いは明らかな異変となり、さらには確信に変わった。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!