絶チル小説 G 皆本「智尾くん!局長の了解が…ってああぁ!!」 そこに、タイミングを狙ったように皆本が入室。 蕾見「あらぁ、皆本くん!こんなに若くてピチピチな新人を拾ってきたのって、やっぱりあなただったの!?」 皆本「違います!…じゃなくて、早く智尾くんから離れろおばはん!」 智尾は今の言葉を聞いた瞬間に、背筋を凍らせた。 智尾「あ…あのぉ……、蕾見さんはおいくつで?」 蕾見「いやねぇ、いきなりレディーに歳を聞くなんて!女の子から嫌われちゃうわよ。」 蕾見はごまかそうとしたが、皆本は正直に言い放った。 皆本「その人は、バベルの管理官、蕾見不二子さん。年齢は、僕よりも60くらいも上。戦前から生きてるからね、この人は…。」 智尾「…………………。」 智尾は蕾見の年齢を聞いた瞬間、唇を押さえ、俯いた。 その周りには、絶望という名のオーラが溢れ出ていた。 蕾見「もぅ!キスなんてほんの挨拶代わりよ!」 皆本「あんた…、少し自分の立場というのを弁えてほしい…。」 智尾「……………。」 こんなにもふざけている蕾見だが、役職の上では管理官という、このバベルでは1番偉い存在になっている。 しかしどうしても皆本は、このような性格を苦手としている。 そして蕾見は、ただ単に智尾をからかいに来たのではなく、ちゃんとした理由があってやってきた。 皆本「…とりあえず、僕は公務があるんで、用が済んだら呼んで下さい。」 蕾見「分かってるわよ。」 仕事に向かうため、皆本は待合室を後にする。 その際に智尾に寄り、小さく声を掛けた。 皆本「じゃあ智尾くん。僕は行くね。蕾見管理官はあんな性格だけど、しっかりするときはしっかりする人だ。多分…。今は君に話があるそうだから、素直に聞いとくんだよ。」 智尾「……?…はい、分かりました。」 智尾は「多分…。」という言葉を気にしつつも、素直に応じることにした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |