絶チル小説 G 一行は、足早に館内の座席に着いた。 ほたると奈津子が隣り合わせの席に、そのすぐ後ろの席に蕾見と智尾が陣取った。 周囲には男性が少なく、カップルよりも女性のグループがひしめいていた。 智尾「はぁ…変なところに来ちゃったなぁ…。」 女性独特の甘い香りが漂う中、恐らくその場に唯一の「男の子」である智尾は、暫し呆然としていた。 蕾見「そんなに緊張しなくていいわよ。すぐに気持ちよくなるからね〜♪」 智尾「…もういいですよ…。」 隣に座る蕾見のからかう声も受け流し、智尾はスクリーンに集中することにした。 ほたる「あの人って有名なアクション俳優の息子さんじゃない?」 奈津子「え、どこどこ?」 蕾見「Zzz…」 映画が進むにつれて、ほたると奈津子は、周りの迷惑にならないくらいの小さな声で会話をしながら見ていた。 蕾見は誘った張本人にも関わらず、眠ってしまった。 智尾はその輪から孤立してしまい、他から見ると「何でここに子供いるんだ?」と言った状態だった。 そして今見ている映画の中には、「とあるシーン」も含まれていることは、智尾も知らなかった…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |