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絶チル小説
L
智尾「…!?」



智尾は突然気を取り戻し、目を見開いた。

それと同時に、何か物事の記憶を思い出せないような衝動に駆られた。






智尾心の声(な、何だ…今の感覚は…?…何かの記憶?いや、そんなことをしたことはないし…。)






智尾は、先程ふと考え出てきた「あの頃」というフレーズが引っ掛かり、それが何なのか理解できなかった。



智尾心の声(「あの頃」って何だよ?オレはバベルのエスパーであって、そんな貧しい時なんて一度もない…。)



単に日頃見ていたテレビの一場面を、自分の脳内に置き換えてしまっただけのか…そのような考え間違いと思いたい智尾だが、何かが引っ掛かった。

初音という突然の来客に加え、満足な飯を食べられることもなく後片付けを終え、智尾には気疲れが確かにある。






智尾心の声(何で今「あの頃」なんて思えたんだ?オレにはそんな時代はなかったし……んん?)



記憶の一部分が欠如したと言っても過言ではない……智尾は何とも言えない葛藤を覚えたが、次第に意識は遠退いていった。



智尾心の声(思い違いか…そんなことはなかったわけだし…。…それにしては、すごい…引っ掛かるものだ…なぁ……)






考えているうちに、智尾はいつの間にか眠ってしまった。

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