絶チル小説 M 街中で男の子と女の子が手を繋ぐ…。 端から見れば、それは仲睦まじい若いカップルの姿である。 しかしこの2人の例は違う。 紫穂「…も…、もういいわよ…!じ、自分で歩けるわ!」 智尾「…あぁそうかい。」 照れ隠しに口調を強めた紫穂は、握られていた智尾の手を振り払った。 手を繋いでいるのが恥ずかしかった智尾も、逆にそれを望んでいた。 気を取り直し、パトロールを再開する。 紫穂「それにしても、あんまり事件が起きないわね。」 智尾「平和が1番だよ。オレも力使うとまだすぐバテちゃうし、楽と言えば楽だよ。」 つい口調も軽くなり、パトロールという緊張感も解れてきた。 しかし、事件というのは忘れた頃にやってくる。 皆本「紫穂、智尾くん、聞こえるかい!」 智尾「は、はい!」 皆本からの連絡が来た。 それは事件発生の「予知」を知らせるものであった。 皆本「予知課からの報告だ。あと10分後に、銀行強盗が発生する予知が出された。現場に急行してくれ!」 紫穂・智尾「了解!」 事件の予知と同時に、すぐに場所の通達もされた。 距離的には遠くはなく、時間にも余裕はあるが、現場で未然に事件を防ぐ為にも、早めの行動が鍵となる。 皆本「…よし、頼むぞ!」 皆本の連絡が終わり、2人は人通りの少ない道に入った。 智尾「それじゃいくぞ。」 紫穂「…分かってるわよ。」 智尾は紫穂と共にテレポートした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |